レストアビジョンがシードラウンド資金調達を実施し視覚再生治療の開発を加速

株式会社レストアビジョンが、6億円の資金調達を成功させ、遺伝性網膜疾患に対する新たな治療法の開発を加速します。この資金は慶應義塾大学と協力している国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金と合わせたもので、RV-001と呼ばれる遺伝子治療薬の製剤開発と非臨床試験の推進に充てられます。

RV-001の革新性


RV-001は、人間の網膜における視細胞の機能を再生するために設計された治療薬で、自身の視覚を含む環境への感知能力を回復させることが目指されています。具体的には、AAV(アデノ随伴ウイルス)ベクターを用いて独自の光センサータンパク質「キメラロドプシン」を目的遺伝子として組み込むことにより、網膜疾患の患者に対して効果を発揮します。

この治療法は、視細胞が遺伝的要因によって消失する網膜疾患に特化しており、硝子体内注射による簡便かつ低侵襲な方法で実施されます。その結果、残存する神経細胞内でキメラロドプシンが発現し、視覚の再生が可能となります。この技術は、網膜色素変性症などの治療に対して大きな可能性を秘めていると期待されています。

資金調達の背景


今回の資金調達には、複数の投資家が関与しています。代表的なものに、リアルテックファンド、ANRI、Remiges Venturesがあり、それぞれがレストアビジョンのビジョンに強い期待を寄せています。リアルテックファンドは、特に革新技術の社会実装に取り組む態勢を持ち、「網膜色素変性症の治療に向けたブレークスルーを期待しています」とコメントを寄せました。

ANRIは、レストアビジョンのプロジェクトが未確立の治療法を求める社会的ニーズと合致することから支援の決定要因になったと述べています。また、Remiges Venturesは、遺伝子治療薬の開発が難病患者に大きな福音となると確信を持っており、レストアビジョンの活動を後押ししています。

失明予防の使命


レストアビジョン目指すのは、網膜疾患に苦しむ患者の視覚再生実現です。日本では網膜色素変性症が失明原因第2位に位置しており、治療法が確立されていない現状であるため、RV-001の臨床試験を早期に実施し、社会に貢献することが重要視されています。

レストアビジョンは、2016年の設立以来、慶應義塾大学と名古屋工業大学の共同研究を基盤に、オプトジェネティクス技術を活用した治療法の開発に取り組んできました。治療の実現はもちろんのこと、日本市場のみならず、グローバル展開も見込まれるプロジェクトであるため、今後の展開に注目が集まります。

会社概要


レストアビジョンは、東京都港区に本社を構え、再生医療等製品の研究・開発を行っています。著名な大学との連携により、未治療の病気に対する新しい治療法を提供することを第一のミッションとしています。

私たちのビジョンは、早期に効果的な治療を患者に届けること。そのために、私たちは今後も技術開発に注力し、患者のための道を開いていく所存です。

会社情報

会社名
株式会社レストアビジョン
住所
東京都港区虎ノ門1-17-1虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階
電話番号

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