文化のWA2.0:次世代共創パートナーシップの新たな挑戦
国際交流基金(JF)は、新たなプロジェクト「文化のWA2.0」を2024年から10年間にわたってスタートさせます。このプロジェクトではASEAN諸国との双方向の交流事業を推進し、人と人との繋がりを基盤に文化共創を図っていきます。
WAの理念と過去の実績
これまでの「文化のWAプロジェクト~知り合うアジア~」が展開してきたのは、和、環、輪をテーマにした文化的交流です。この理念を基に、JFは多くの交流事業を実施し、人々の心を結ぶ架け橋としての役割を果たしてきました。新たな指針となる「文化のWA2.0」では、これまでの経験を生かしつつ、さらなる文化共創の場を形成することに焦点を当てます。
日本語パートナーズ事業の強化
この新しいプロジェクトの二本柱の一つとして位置づけられているのが「日本語パートナーズ事業」です。中南米諸国では日本語学習が盛んですが、実際の日本人と接する機会が少なく、教科書の枠に限られた学習となることが多いのが現実です。そこで、この事業では、日本の市民がアジアの学校で日本語の授業をサポートする役割を担います。これにより、生きた日本語や実際の日本文化を伝え、相互理解を促進することを目指します。
日本語パートナーズの派遣実績は、これまで12か国において3,000人以上に上ります。今後はさらなる発展を目指し、日本語教育に関する研修や交流を強化していく方針です。
双方向の知的・文化交流事業
もう一つの柱は「双方向の知的・文化交流事業」です。ここでは、国際的な協力を促進し、共通の目標に向かって行動する次世代の人材を育成します。これを実現するため、さまざまな国の若者同士を繋げるフォーラムやプログラムが用意されています。
例えば、「日ASEANユース・フォーラム Take Actions for Social Change 2024」では、社会的課題解決に向けて学士課程の大学生たちが国際的な交流を行う機会を提供します。このプログラムでは、健康と福祉にテーマを絞り、実際の行動計画を策定していくことで、参加者たちは日本とASEANの繋がりを深めることが期待されます。
アジアのオブジェクト・シアター
さらに、ラオスとの国際共同制作においては、ろう者と聴者が協働する劇団間で新しい表現の可能性を追求する企画も進行中です。これにより、ラオスの伝統的な精神文化と現代のアートを融合させた新しい作品が創出される予定です。
今後の動向と展望
JFは、この「文化のWA2.0」を通じて、文化の多様性を尊重しつつ、新たな共創の場を創出していきたいと考えています。互いの理解を深めることが、未来の信頼関係や人的ネットワークの形成に繋がると信じています。今後も専用ウェブサイトやYouTubeでの発信を通じて、事業の詳細や活動報告を行っていく予定です。これからの10年間、共に成長し、共創を深めるための挑戦に注目していきましょう。