SNSから生まれた新しい物語が本に
SNSで話題となったアザラシ幼稚園を舞台にした小説『アザラシと海の約束』が、ついに2025年12月22日に発売されることが決まりました。この作品は、オランダのワッデン海世界遺産センターを背景に、SNSでの現象が文化交流を生み出した結果、実現したものです。
きっかけとなった現象
2024年8月、一件のX(旧Twitter)投稿が起動となり、オランダにある短いアザラシのライブ配信が日本で大きな話題を呼びました。この動画配信は、保護されたアザラシたちの姿を24時間映し出しており、次第に視聴者の心をつかむことに成功しました。初日に集まった寄付は、通常の1ヶ月分を超える驚きの数字となり、瞬く間に人気が広がったのです。オランダのアザラシ幼稚園の存在を知らない人でも、SNSの影響力で目を向けるようになりました。
共同企画の誕生
この盛り上がりを受けて、ハーパーコリンズ・ジャパンとハーパーコリンズ・オランダの間で、オランダの作家スーザン・ムスケによる小説が企画されることとなりました。日本の編集者とオランダの作家の協力のもと、アザラシたちとの心温まる物語が生まれることとなり、様々なファンアートや特有の用語の紹介を通じて、現地の視点と日本の熱狂が融合した作品が完成しました。
ストーリーの見どころ
物語の主人公は、アザラシ幼稚園で働くミアという若い女性。このミアは、海洋生物学者である父の期待に応えられず、アザラシの保護活動を選ぶことになります。そんな彼女の前に、母とはぐれたアザラシの赤ちゃん「キコ」が登場します。この小さな命との出会いを通じて、彼女は自分の選択が正しかったのだと再確認し、共に成長していく姿が描かれています。日本から応援が集まり、驚くほど多くの視聴者がキコの復活を見守る中、彼女はアザラシを海へ返すための奮闘を決意します。
本書の特徴
この本には多くの魅力が詰まっています。まず、実在のアザラシ幼稚園を舞台にした書き下ろし小説という点が非常に新しいです。さらに、オランダ現地でも注目を集めており、「日本からのブーム」をテーマにした国際的な文化交流が生まれた背景についても触れています。
また、初回限定特典として、特製クリアアザラシしおりが付いてきます。これを手に入れることで、読者は単に作品を楽しむだけでなく、WECの活動を間接的に支援することができるのです。
著者と訳者のプロフィール
著者はスーザン・ムスケ。彼女はオランダを代表するフィールグッド作家の一人であり、アザラシ幼稚園の活動を美しく描き出しています。また、訳者の足立江里佐は、オランダ語翻訳者として多くの作品を手掛けています。
まとめ
『アザラシと海の約束』は、SNS時代の影響を受けて生まれた物語であり、人間とアザラシとの絆を描いた感動的な作品です。今後も多くの人々の心を打つことでしょう。ぜひ手に取って、その魅力を感じてみてください。彼女たちの物語は、あなたの心にも響くことでしょう。