岡大と両備のAI診断
2025-07-25 14:14:26

岡山大学と両備システムズが開発するAI診断システム、がん患者に新たな希望を

岡山大学と両備システムズが開発する新しいAI診断システム



岡山大学と両備システムズの共同研究によって、胆道がんの診断精度を向上させるための新しい人工知能(AI)技術が開発されました。このプロジェクトは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和7年度「医療機器等研究成果展開事業チャレンジタイプ」に採択されています。研究チームは、岡山大学病院消化器内科の佐藤亮介医員を代表として、胆道がんの診断を飛躍的に改善することを目指しています。

研究の背景と課題


胆道がんは、毎年約22,000人が新たに診断される消化器がんの一つであり、その5年相対生存率は30%未満という厳しい状況です。特に、胆道がんはその進展様式が非常に特殊で、粘膜の表面を浅く、広く這うように存在するため、CTやMRIでは正確な診断が難しいのが実情です。そこで、胆道内を直接観察できる経口胆道鏡検査(POCS)の重要性が増してきていますが、従来の白色光観察では、がんの範囲を明確に捉えることが困難でした。このような背景から、AIが診断支援に活用されることが期待されています。

新たなAI診断システムの提案


この研究で目指すAI診断システムは、胆道内視鏡画像を解析し、「良悪性診断」と「範囲診断」を同時に行うことができる、世界初の胆道特化型デュアルAI診断システムです。この新技術を使用することで、胆道がんの有無や進展具合をより正確に評価することが可能になります。さらに、この技術の実用化に成功すれば、根治手術率の向上や患者の予後改善につながると期待されています。

1. 範囲診断支援AI(VICI技術)


プロジェクトで開発されるVICI技術は、AIのCycleGANを用いて、白色光の胆道鏡画像を「疑似色素散布画像」に変換します。これにより、がんの境界や微細な構造が可視化され、正確な範囲診断が支援されます。この技術は、物理的に色素を散布できない胆管内でも医師に役立つ情報を提供します。

2. 良悪性診断支援AI


胆道鏡画像の良悪性診断を支援するプログラムが開発されます。このプログラムは、胆道特有の画像ノイズをAIが誤認識しないように工夫されており、専門医が診断する際の重要な要素をAIに学ばせる独自の手法も採用されています。こうした取り組みによって、AIの診断精度は向上し、医師に匹敵するレベルの客観性を目指しています。

社会的な意義と将来の展望


こうしたAI診断システムの導入が成功すれば、胆道がん患者の根治切除率が向上し、患者の生存率も上がることが見込まれます。さらに、再発リスクを抑えられることで、医療にかかる総費用の削減にも資することが出来るでしょう。将来的には、基本的な研究成果をもとに、本格的な開発を進める予定です。

まとめ


岡山大学と両備システムズによる本研究の進展は、胆道がんの診断方法を革新し、多くの患者に新たな希望をもたらすものです。地域医療の改善と、患者の生活の質を向上させるために、AI技術の実用化に向けて、今後も研究開発が進められることでしょう。


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会社情報

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株式会社両備システムズ
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