地域の廃棄物から生まれるアートの魅力
地域の未利用素材をアートへと昇華するプロジェクトが動き出します。株式会社ACTA PLUS(ACTA+)は、オリックス・ホテルマネジメントと協力し、2025年11月1日から全国20ヵ所の旅館・ホテル・研修施設で、アート作品を展示する試みをスタートします。本プロジェクトは、本来なら廃棄される運命にある素材を創造的に再活用し、地域の工芸や産業にまつわるストーリーを伝えるものです。
イニシアティブの背景と目的
この取り組みは、廃棄物が生成される地域の背景や文化を見つめ直す機会を提供します。ACTA+がキュレーションする21名のアーティストが、地域に根差した素材を使ってアート作品を生み出します。作品には、木の端材や織物の残布、石材の端切れなど、地域の工芸過程で発生する本来ならば捨てられてしまう素材が用いられます。これにより、リサイクルや環境への配慮を超えた、サステナブルな文化を育てようとしています。これらのアート作品は、訪れる人々にその土地の素材や工芸の魅力を感じ取る機会を提供し、地域の理解を深めることを期待しています。
展示の概要
展示は2025年11月1日(土)から30日(日)まで行われ、全施設で統一されたキャンペーン期間を設けています。ただし、クロスライフ博多天神では少し遅れて11月8日からスタートします。展示会場は、日本全国のオリックス・ホテルマネジメントの直営施設に広がります。主要な都市には、札幌、函館、会津若松、黒部、箱根、熱海、京都、大阪、福岡、別府などが含まれ、地域ごとに異なる魅力が引き出されます。
アートと地域の結びつき
参加するアーティストは、吉田琉平さんをはじめ、21名にのぼります。彼らはそれぞれの作品で地域の産業や工芸が抱える課題や魅力を表現します。このシステムによって、アートがただの鑑賞物でなく、地域の産業や人々との対話の場を創り出すことを目指します。
佐久間大地氏は「アーティストの手で新たな命を吹き込まれた素材たちが、来場者にこれまで気が付かなかった地域の側面を教えてくれるでしょう」と語ります。
サステナブルな観光体験の提供
オリックス・ホテルマネジメントからは、「地域との共生と持続可能な観光の推進」を強調するコメントが寄せられました。金井 紫帆氏は、「このプロジェクトは、地域の物語を感じながら、サステナブルな観光がいかに楽しめるかを示すものだ」と述べています。訪問者には、ただの観光にとらわれず、製品の背後にある文化に触れる貴重な機会が提供されます。
本プロジェクトを通じて、ACTA+とオリックス・ホテルマネジメントが目指すのは、環境意識を楽しむ文化体験を創り出すことです。日常生活の中でも、持続可能性について考えるきっかけを提供し、地域の魅力を再発見する旅の手助けをしています。
ACTA+について
ACTA+は、「持続可能性の正論を、憧れに」という理念を掲げ、廃棄物からアートを生み出す企業です。500名以上のアーティストとの協力を通じて、持続可能性を魅力的に伝える文化を築くことを目指しています。彼らの取り組みは、地域産業との連携を通じて、アートが持つ力を広めています。
この新しい試みは、地域への愛着を育むと同時に、訪問者に深い感動と新たな視点をもたらすことが期待されています。アートの力を通じて、捨てられる運命にある素材に新たな価値を見出すACTA+の挑戦から、目が離せません。