インドネシア・西パプアのタングーLNG拡張計画への支援拒否を求める動き
2026年2月24日、世界中の72の市民団体は、日本の財務省、経済産業省、国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)に対し、インドネシア・西パプア州におけるタングーLNG(液化天然ガス)の拡張計画に支援を行うべきではないとする要請書を提出しました。この要請は、これらの拡張が気候危機を深刻化させ、地域の環境や人権を侵害する可能性があると指摘しています。
市民団体の懸念
要請書では、以下の6つの理由が挙げられています:
1. 事業開始からの先住民族への環境・社会・人権への悪影響
2. パプア地域における市民社会の抑圧
3. パリ協定で定められた1.5℃目標との不整合
4. G7合意に対する違反
5. CCUS(カーボンキャプチャー・ユーティライゼーション・ストレージ)が誤った気候変動対策であること
6. インドネシアの化石燃料依存の長期化とエネルギー移行の遅れ
現在、タングーLNGはインドネシア最大のガス生産拠点で、イギリスのBPがオペレーターとして関与しています。日本企業も約46%の権益を持ち、JBICとNEXIは過去に二度このプロジェクトへの支援を行っています。さらに、関西電力もこの事業からガスを購入しています。
拡張計画の内容
タングーLNGの拡張計画にはウバダリガス田の新たな開発や、ヴォルワタガス田でのCCUSを利用したガス増進回収が含まれています。
地域の声
インドネシア環境フォーラム(WALHI)のキャンペーン・コーディネーターであるウリ・アルタ・シャビアンは、昨年末にスマトラ島で発生した災害のようなことが二度と起きないよう、タングーLNGの拡張を中止し、持続可能な再生可能エネルギーへの移行を促進する必要があると強調しました。また、WALHIパプア事務局長のマイケル・ペウキは、国家による「レッドカーペット待遇」がパプアの先住民族に深刻な影響を与えていると告発しています。
経済的な平等を求める抗議活動が散発しており、若者たちが経済成長の名の下に行われている環境破壊に反発しています。例えば、西パプア州のビントゥニ湾では、マングローブ林の52%にあたる広大な地域が伐採されています。これにより深刻な生態系へのダメージが生じています。
CCUSへの疑念
トレンドアジアのエネルギー・キャンペーナーであるノビタ・インドリは、CCUSのような手法が実際には排出量削減につながらないと主張しています。JBICとNEXIがこのプロジェクトに資金を供給し続けることで、企業は座礁資産化のリスクを負うことになります。
日本の役割
FoE Japanの波多江秀枝は、日本が関与してきたタングーLNGの拡張が地域に与える影響について重要性を指摘しました。過去の支援が生態系や地域コミュニティに悪影響を及ぼす中で、これ以上の支援を行うべきではないと訴えています。パリ協定の目標に向けた努力を無にしないためにも、日本の公的機関は慎重に行動するべきです。
まとめ
インドネシア・西パプアのタングーLNG拡張計画における支援は、環境問題や人権への影響という観点から見て非常に懸念されます。市民団体の声が高まる中、日本の公的金融機関が今後どのように対応するのか、注目が集まっています。詳細な要請書については、リンクを参照してください。