東京オフィスマーケットレポート2025年第3四半期概要
コリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社が発表した「オフィスマーケットレポート|東京主要5区・グレードAオフィス |2025年第3四半期」では、東京のオフィス市場の厳しい需給バランスが続いていることが明らかになりました。ここでは、その詳細を掘り下げて闘いましょう。
現在の市場概況
2025年第3四半期においては、東京のグレードAオフィスビル市場は依然として非常にタイトな需給環境です。空室率は前四半期より0.6ポイント下がり、1.5%という過去最低近い水準にまで達しました。一方で、新たに供給されるオフィススペースはわずか8,600坪にとどまる状況です。それにもかかわらず、需要は65,500坪という大幅な数字を記録しており、この需給のミスマッチが賃料の上昇を引き起こしています。平均賃料は34,000円/坪(前期比+1.8%)と上昇傾向にあります。
テナントによるオフィススペースの確保は活発で、賃貸市場は貸主にとってより優位な環境へとシフトしています。このような状況は、企業にとって適切なオフィス物件を見つける難しさを生んでいます。
空室率と賃料のトレンド
前述の通り、空室率は過去最低水準に接近していますが、これは新規供給が限定的であるためです。特に人材を確保しやすい好立地へのオフィス移転ニーズが高まり、交通利便性の高い都心部では空室を確保する動きが目立ちます。企業がその場所を選ぶ際には、採用のための立地条件が一つの重要な判断基準となっています。
今後の見通し
2026年以降、大型再開発プロジェクトの竣工により新規供給は続く見込みですが、その影響が現行の需給バランスを根本的に変えることは難しいと考えられます。開発中の大型オフィスビルへの移転が、テナントにとっては実現可能な選択肢となりつつあります。現時点での開発中の物件のテナント内定は順調に進んでおり、短期的に市場環境が変わることはないとされています。
プレミアムオフィス市場
コリアーズ・ジャパンは2025年第3四半期より、プレミアムグレードオフィスの市場分析を始めました。この市場では、需要の質に対する関心が高まっており、プレミアムグレードの空室率は1%を下回っており、主要地方ではさらにタイトな状態になっています。これにより、プレミアムグレードの賃料は他のグレードAオフィスと比較しても上昇しています。
テナントにおいては、従業員の働く環境の質を重視しようとする動きが強められています。人材確保の競争力を高めるためには、質の高いオフィス空間が求められることが背景にあるといえます。
まとめ
その結果、2025年第3四半期の東京オフィス市場は、非常に厳しい需給環境が継続しています。テナント企業は賃料上昇の影響を受けつつも、好立地のオフィス物件を確保する姿勢を強めています。市場のさらなる動向に注目が集まる中、これからの東京オフィスマーケットに引き続き目が離せません。
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