光ファイバ通信新技術
2025-04-10 14:11:19

世界初の光ファイバ通信向け面発光レーザが開発されました

画期的な技術:光ファイバ通信の面発光レーザ



国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)とソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(ソニー)が、光ファイバ通信システム向けに実用的な面発光レーザの開発に成功しました。この技術革新は、世界初の成果であり、通信分野において大きな影響を与えることが期待されています。

開発の背景


従来の光通信技術では、特に高容量・低消費電力が求められています。面発光レーザ(VCSEL)は、光通信において有望な技術ですが、1,550 nmの長波長で動作するものは難しいという課題がありました。このたび、NICTはソニーとの共同研究を通じ、量子ドットと呼ばれるナノスケールの半導体粒子を利用した新しいVCSELの電流駆動に成功しました。

技術的な革新


今回の成果を生み出した要素技術は2つあります。まず一つ目は、NICTによる高精度な化合物半導体結晶成長技術です。これにより、1,550 nm帯用のVCSELを製造する際に求められる高反射率の半導体多層膜を99%以上の精度で成長させることが可能になりました。また、量子ドットの周囲に発生する結晶の歪を補償する技術も実装され、発光材料としての量子ドットの密度を高めることができました。

二つ目は、ソニーが開発したトンネル接合技術です。これにより、電極が光を遮らないような構造が実現され、安定した発光が可能になりました。これらの技術を組み合わせた結果、わずか13 mAの低電流でのレーザ発振が実現し、温度安定性にも優れています。

今後の展望


この技術が実用化されれば、光ファイバ通信システムの大容量化や低消費電力化が進むことが期待されます。特に、Beyond 5G時代に向けた技術進展が注目されています。また、技術の社会への展開についても積極的に検討されており、将来的にはさらなる光通信の革新に寄与するでしょう。

論文情報


今回の研究成果は、国際的に権威ある光技術の専門誌であるOptics Expressに採択され、2025年3月24日発行の第33巻第6号に掲載予定です。これにより、研究界隈でも広く認知されることになるでしょう。

今後も新しい技術の進展を期待し、通信技術における革新は続いていくことでしょう。私たちの生活に密接に関わる通信機器において、この新技術がどのような変化をもたらすのか、大変楽しみです。


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