不登校が親の働き方に及ぼす影響とは
2024年度に不登校だった小中学生の数は、35万3,970人に達し、過去最多の記録を更新しました。そんな状況を受けて、ウェブメディア『不登校オンライン』を運営する株式会社キズキが実施した調査の結果は、親たちの働き方に大きな影響を与えることを示しています。
調査の概要
今回の調査は、不登校の子供を持つ438名の保護者を対象に行いました。調査期間は2025年2月17日から3月22日まで。結果、約60%の親が、退職や転職、就業、あるいは働き方の変更を経験したと回答しています。
働き方の変革
調査の結果、多くの親が「現職を続けながら、勤務時間やシフトを柔軟に調整した」と回答しており、具体的には、柔軟な遅刻・早退や時短勤務、シフトの変更などが多く見られました。特に、「勤務先への相談はしやすかった」と答えた人が70%以上おり、企業側も柔軟な対応ができていることがわかります。このような変化は、子供や家庭の安定にもつながっているといえるでしょう。
課題と期待
一方で、収入減やキャリアの停滞といった課題も浮き彫りになりました。特に収入減は34%の親が課題として挙げ、家庭においての経済的な影響が大きいことが見受けられます。
退職を選択した17.8%の親の中には、「子供のケアを優先したため」と理由を述べる人が多く、約半数はその選択が「良かった」と評価しています。転職や専業から就業を選んだ親もそれぞれに理由があり、子供との関係の改善を図るために新しい職場環境を求める方も少なくありませんでした。
家庭との両立の重要性
キズキ共育塾の不登校相談員、伊藤真依さんは「子供との距離感はケースバイケース。焦りの中で大きな決断をせず、段階を踏みながら調整することが大切」だとコメントしています。親として子供との時間を増やすことは重要ですが、時には距離を置くことでより良好な関係を築ける場合もあるため、各家庭でのバランスを考える必要があります。
情報の共有と相談
『不登校オンライン』では、このような親たちの調査データや体験談をもとに情報を提供しています。子供の不登校は家庭に大きな影響を及ぼす一方で、親自身のキャリア設計を見直す良いきっかけにもなり得ます。家庭に適した解決策を見つけるために、専門家への相談も効果的です。
結論
不登校という現象は、親の働き方にも深く関与しています。柔軟な働き方を模索する中で、家庭と仕事の調和を図ることが求められています。子供の最適なサポートを考える上でも、保護者自身のメンタルヘルスやキャリアプランの見直しが重要であり、慎重に選択を進めていくべきです。