森永乳業のビフィズス菌M-63、中国の新食品原料に登録
森永乳業が独自に開発した「ビフィズス菌M-63(Bifidobacterium longum subsp. infantis M-63)」が、2024年8月5日付で中国の「新食品原料」に登録されました。これに伴う通知は、国の食品安全基準を定める機関から発表されました。このニュースは、特に家庭で小さな子供を育てる親たちにとって注目すべき内容です。
中国の「新食品原料」制度
「新食品原料」とは、中国国内で流通する食品素材の中で、伝統的な中国の食文化にない新しい食品成分の安全性と有用性を確認する制度です。日本企業が持つビフィズス菌がこのカテゴリーに入るのは、森永乳業のみです。今回のビフィズス菌M-63の登録は、過去に登録された「ビフィズス菌M-16V」や「ビフィズス菌BB536」に続く、3つ目の菌株として位置づけられています。
特に注目すべきは、これらの菌株がすべて3歳未満の乳幼児をターゲットとした食品に使用されることが許可されている点です。この厳しい基準をクリアしたことで、ビフィズス菌M-63は中国市場での可能性を広げています。
森永乳業の海外展開と市場の魅力
森永乳業は、2029年までに海外売上比率を15%以上に引き上げるという10年ビジョンを掲げており、中国市場はその中で重要な役割を果たします。特に、育児用ミルク市場は世界市場の40%以上を占めており、この巨大なマーケットでの成功は企業成長に直結します。
最近の研究では、ビフィズス菌M-63が母乳中に含まれるヒトミルクオリゴ糖(HMO)の利用を高め、腸内環境を改善する効果が報告されています。中国では2023年10月からHMOの育児用ミルクへの使用が承認されており、HMOとビフィズス菌M-63を組み合わせることで、乳幼児の健康をサポートする新たな食品がを市場に提供できる可能性があります。これにより家庭での栄養管理が大いに助けられ、子供たちの成長にも寄与することでしょう。
社会貢献と安心感を提供
森永乳業は、食品業界の信頼性を高めるために、消費者やパートナー企業に対してビフィズス菌M-63の利点を正しく伝えることを重視しています。これにより、製品の応用機会を増加させ、中国市場でのブランド認知度を高めていく考えです。同社の研究活動は1969年から始まり、ビフィズス菌に関する臨床研究論文数は世界で最も多いとのデータもあります。これは、森永乳業が長年の経験をもとに、 consumer trustを構築してきた証拠です。
結論
森永乳業のビフィズス菌M-63が中国で「新食品原料」として認められたことで、乳幼児用食品市場へのさらなる進出が期待されます。同社は今後も研究開発を進め、世界各国での食品安全や栄養に貢献する取り組みを強化していく方針です。これにより、家族の健康を支えるための安心できる選択肢を提供し続けることでしょう。