福島県で脱炭素化に向けた新たな取り組み
福島県では、公益社団法人ふくしま緑の森づくり公社とENEOS株式会社が、森林資源を活用した脱炭素社会の実現に向けた連携協定を締結しました。この協定は、福島県内の森林の持つCO2吸収能力を最大限に活かし、カーボンニュートラル社会の実現を目指す画期的な取り組みです。
森林由来のJクレジットで脱炭素化を促進
本協定では、ふくしま緑の森づくり公社が管理する森林を対象に、森林由来のJクレジットの創出と活用が中心となります。Jクレジットとは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用、そして適切な森林管理によるCO2排出量削減や吸収量を国が認証する制度です。
ふくしま緑の森づくり公社は、Jクレジットの売却益を森林整備費用に充てることで、森林のCO2吸収能力の長期的な維持・向上を目指します。一方、ENEOSは、創出されたJクレジットを、東北地方をはじめとする事業活動におけるCO2排出量のオフセットに活用します。この取り組みは、ENEOSにとって東北地方初、かつ過去最大規模のクレジット創出を見込む、非常に重要なプロジェクトです。
東日本大震災からの復興と地域活性化
ENEOSは、東日本大震災直後から福島県に対し、燃料供給の緊急対応や復興支援活動など、多大な貢献をしてきました。今回の連携協定は、そうしたこれまでの関係性をさらに発展させ、カーボンニュートラル社会の実現と福島県の復興・地域活性化を加速させることを目的としています。
持続可能な森林経営と多面的機能の維持
ふくしま緑の森づくり公社は、本協定を通じて、育成してきた森林を活用し、脱炭素社会の実現に貢献します。また、クレジット売却益を森林施業に還元することで、Jクレジットを活用した先進的なモデルケースを確立し、持続可能な森林経営を目指します。
さらに、クレジット創出過程で得られた知見を、水源涵養、山地災害防止、自然環境保全など、森林の多面的機能の長期的な維持に最大限に活用する計画です。
ENEOSのカーボンニュートラルへの取り組み
ENEOSグループは、2030年度までにScope1、2のCO2排出量を2013年度比46%削減するという目標を掲げています。森林由来のJクレジットの創出・活用は、その目標達成に向けた重要な取り組みの一つです。
本協定は、ENEOSが「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」の両立を目指す上で、大きな一歩となります。ENEOSは、今後、東北地方のみならず、全国への展開を目指し、適切な森林管理を通じた森林資源の保全を推進していくとしています。
未来への協業
ふくしま緑の森づくり公社とENEOSは、今後も連携を強化し、社会課題の解決に向けて協業することで、脱炭素・循環型社会の形成に貢献していくことを誓っています。この取り組みが、福島県の発展と日本のカーボンニュートラル実現に大きく貢献することが期待されます。