2024年NPS®ベンチマーク調査結果
日本国内のダイレクト型自動車保険業界において、NTTコムオンラインが実施したNPSベンチマーク調査2024の結果が発表されました。この調査では、顧客満足度および推奨度を測る指標であるNPS(ネットプロモータースコア)が採用されており、その結果、ソニー損害保険が5年連続の1位を獲得しました。
調査の目的と方法
NTTコムオンラインは、自社が開発したNPS®指標に基づき、ダイレクト型自動車保険を利用する契約者を対象にしています。調査では、Webサイトやマイページの使いやすさ、保険商品の充実度など、顧客にロイヤルティをもたらす要素について詳しく分析されました。
NPSランキングの詳細
調査結果によると、1位のソニー損保はNPSが-18.3ポイントで、2位の三井ダイレクト損保は-24.2ポイント、3位のイーデザイン損保は-25.1ポイントでした。全体の平均NPSは-28.4ポイントであり、トップ企業とボトム企業間の差は15.2ポイントに及びます。これは、顧客の推奨度が実際の満足度に大きく影響していることを示しています。
ロイヤルティを醸成する要因
調査では、多くの要因が顧客のロイヤルティに寄与していることがわかりました。特に「保険商品の魅力」「プランの探しやすさ」「手続きの簡単さ」が重要です。また、デジタル接点の改善もロイヤルティの高さに影響を与えています。特にWebサイトの情報提供のわかりやすさと、契約者向けマイページの使い勝手が重要な評価ポイントとされています。
一方で、「コストパフォーマンス」については前年と比べて満足度が低下しており、顧客のロイヤルティへの影響も減少していることが指摘されています。今後の改善点として「顧客に寄り添う姿勢」が挙げられています。
契約者のデジタル接点利用
調査によると、1年以内にマイページを使った契約者は33.1%、公式アプリ利用者は7.5%に上ることがわかりました。契約者がどの程度情報を確認するかで、NPSのスコアも異なります。月に1回以上情報を確認している契約者のNPSは-3.1ポイントと、利用頻度が高いほどロイヤルティが高くなっています。
ダイレクト型自動車保険の契約変更意向
調査結果によれば、契約者の28.9%が次回契約満了時に他の保険会社に変更を考えていることが明らかになりました。ダイレクト型自動車保険の契約者は、代理店型と比較しても同様の意向が強く、今後の市場競争を激化させる要因となるでしょう。
まとめ
この調査結果は、顧客ロイヤルティがどのように形成され、保険会社の評価にどのように影響を与えるかを示しています。特に、企業のイメージや顧客とのコミュニケーションがロイヤルティを高める要因となることが強調されています。ソニー損保の成功要因は、顧客の声に耳を傾けた態度や、提供している商品・サービスの魅力にあることが再確認できる結果となりました。今後もこのような調査が行われ、各社のサービス向上につながることが期待されます。