海洋立国推進功労者表彰:日本の海の未来を拓く4名と1団体が受賞

日本の海の未来を拓く功績を称える:第17回海洋立国推進功労者内閣総理大臣表彰



国土交通省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、環境省が合同で実施する「第17回海洋立国推進功労者表彰」の受賞者が決定し、令和6年7月15日に日本科学未来館にて表彰式が行われました。

今回の表彰では、「海洋立国日本の推進に関する特別な功績」分野と「海洋に関する顕著な功績」分野の2部門で、4名と1団体が受賞しました。

「海洋立国日本の推進に関する特別な功績」分野



・ 大河内 直彦 氏(海洋研究開発機構海洋機能利用部門長/生物地球化学研究センター長)

有機分子同位体を用いた海洋の新規研究法を確立し、海洋の理解を深める研究に貢献しました。同位体分析という手法を用いることで、海洋における物質循環や生態系、地球環境変動などの解明に新たな視点を提供しました。

・ 石井 雅男 氏(気象庁気象研究所気候・環境研究部主任研究官)

海の二酸化炭素を正確に測定する技術を開発し、人間活動が地球全体の炭素循環に与える影響を明らかにする研究に貢献しました。地球温暖化や気候変動といった重要な課題に対し、科学的な根拠に基づいた対策を推進するために不可欠なデータを提供しています。

「海洋に関する顕著な功績」分野



・ 高薮 縁 氏(東京大学大気海洋研究所名誉教授)

地球衛星観測データを活用し、気候現象を解明する研究に長年取り組み、地球科学分野の発展に貢献しました。衛星データ解析を通じて、気候変動のメカニズムや予測、さらには防災への貢献に繋がる研究成果を上げてきました。

・ 田村 兼吉 氏(元(独)海上技術安全研究所海難事故解析センター長、元運輸安全委員会委員)

海洋分野の技術や学術的な知見を駆使し、海難事故解析手法の開発と体系化に貢献しました。海難事故の原因究明や再発防止に役立つだけでなく、海洋安全の向上にも大きく貢献しています。

・ 苫小牧漁業協同組合

海洋環境保全と調和したCCS(二酸化炭素回収・貯留)の実証事業に積極的に協力しました。CCS技術は、地球温暖化対策として注目されていますが、その実用化には地域住民との協調が不可欠です。苫小牧漁業協同組合は、地域の産業と環境保全の両立を図る取り組みの先駆けとして、高く評価されています。

受賞者たちの功績は、海洋立国日本の未来を拓く



今回の受賞者たちは、海洋研究、気象観測、海難事故解析、CCS実証など、それぞれ異なる分野で、日本の海洋分野の発展に大きく貢献してきました。

彼らの功績は、海洋の環境保全、資源開発、安全確保、そして持続可能な社会の実現に向けて、重要な役割を果たしています。

受賞者たちの取り組みは、未来の世代へ、豊かな海を引き継ぐための重要な一歩となるでしょう。

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