医療法人愛仁会、業務効率化への一歩を踏み出す
大阪と兵庫に拠点を置く社会医療法人愛仁会は、医療・介護・保健・福祉に従事する6,500人以上の職員を擁する大規模な組織です。これまで多くの業務に悩まされてきた旧BIシステムの刷新プロジェクトが、今回クロスキャットのDX推進支援フレームワーク「CC-Dash」を導入することで大きな成果を上げました。
旧システムの課題と刷新への道
愛仁会では、旧BIシステムの老朽化に伴い、システムの環境を見直す必要がありました。問題となっていたのは、データのレスポンスと動作の安定性、ならびに処理時間の長さです。診療系ネットワークから全職員が利用できる環境の構築を目指す中で、長期的に安定して利用できるシステムの整備が求められました。
CC-Dash導入の効果
CC-Dash導入後、データ取り扱いにかかる処理時間が飛躍的に短縮されました。従来、日次レポートは昼過ぎにしか確認できなかったものが、なんと朝一番に確認できるようになりました。企画部門では、データから配信資料を作成する際、かつては1日から1.5日かかっていた工程がわずか10分で終わるようになり、業務が一新されました。また、処理速度の向上により、安定したデータ処理が行えるようになり、これまでExcelでの処理中に発生していたタイムアウト問題も解消されました。
職員のスムーズな導入
特に注目すべきは、Azure ADとの連携によるアカウント管理の効率化です。シングルサインオン機能も活用され、職員が新しいシステムにスムーズに移行できました。これにより、業務の開始からデータの活用までのハードルが大幅に下がりました。
導入の背景と選定理由
社会医療法人愛仁会の情報システム部門部長である田中氏は、「コスト比較の結果、中長期的にはクラウド環境が有利であるとの試算がありました。セキュリティ面でも懸念を払拭しながら、安心して導入を進めました。」と述べています。また、プラン作成には、Oracleが提供する「Oracle Autonomous Data Warehouse」と「Oracle Analytics Cloud」が大きな役割を果たしました。特に固有の特徴を活かしたデータ処理能力が評価されたことが、導入の決め手になったとのことです。
今後の展望
愛仁会は、CC-Dashの導入を機に、今後もデータベースのさらなる拡充を図り、高速かつ高性能なデータ処理環境を実現したいと考えています。ダッシュボードの数や種類を増やし、全職員が必要な時に必要なデータに簡単にアクセスできる環境の整備を進める方針です。また、RPAとの連携や生成AIの活用による新たな業務効率化への取り組みも視野に入れています。
まとめ
社会医療法人愛仁会の取り組みは、医療業界のデジタルトランスフォーメーションの効果的な一例です。CC-Dashの導入によって、業務効率とデータ活用能力が一気に向上した愛仁会の今後に、多くの期待が寄せられています。