水冷GPUサーバの本稼働環境を整備するプロジェクト
株式会社フィックスターズ(本社:東京都港区)は、コンテナ型データセンターを手掛ける株式会社ゲットワークス、およびネットワーク・データセンター関連の株式会社NTTPCコミュニケーションズと連携し、水冷GPUサーバの本稼働環境を整備するプロジェクトを開始しました。本取り組みは、国内における水冷GPUサーバの普及を促進することを目的としています。
生成AI需要の急増と水冷技術の重要性
生成AIへの需要が急増する中、GPU技術の進化速度が加速していますが、これに伴ってGPUの性能向上はそのまま電力消費や発熱の増加を引き起こしています。そのため、従来の空冷方式による冷却はもはや適切ではなく、水冷技術の必要性が強く求められています。しかし、国内には水冷GPUサーバの導入実績が乏しいという現状があります。この理由には、サーバーベンダーによる冷却仕様の違い、データセンターへの水引き込みに対する抵抗感、既存設備の改修コスト、そして水冷環境を構築するための知識不足が挙げられます。
プロジェクトの目標と各社の役割
プロジェクトでは、今夏までに複数のサーバーベンダーの水冷GPUサーバを本格稼働させることを目指します。各社はそれぞれの強みを活かし、役割を分担することで本プロジェクトを進めます。
- - フィックスターズは、自社の水冷GPUサーバを提供し、ソフトウェアの最適化やパフォーマンス評価を行います。特にAIワークロードに対するボトルネックの特定と最適化を担当し、安定した高効率のインフラ構築に貢献します。
- - ゲットワークスは、自社のコンテナ型データセンターにおいて、施工技術や運用管理技術を提供します。過去の実績を基に水冷GPUサーバの本稼働をサポートします。
- - NTTPCは、大規模なGPUクラスタ運用の経験を生かし、ハードウェアエンジニアリングの視点から初期構築や負荷テストを行い、知見を蓄積します。
検証及び本稼働場所
本プロジェクトでの検証と運用は、ゲットワークスと株式会社GXテクノロジーが共同運営する湯沢GXデータセンターにて行われ、豊富な水源と多様な機器を活用します。現場には技術者が常駐し、問題解決に迅速に取り組むことができる体制が整えられています。
まとめ
このプロジェクトにより、日本国内における水冷GPUサーバの普及が加速することが期待されます。フィックスターズは、今後設立予定のコンソーシアムで得られたデータや知見を共有し、最先端の水冷GPUサーバの国内展開に向けた活動を進めていく予定です。これにより、多くの企業がAI技術を駆使したビジネスを展開できるようになるでしょう。