2024年フィリピンの訪日客、過去最高を記録
アウンコンサルティング株式会社の調査によると、2024年のフィリピンからの訪日外国人客数は約81万人に達し、これは年間過去最高となりました。この急増の背景には円安や航空便の増便の影響、さらにスクールホリデーによる海外旅行ニーズの高まりが考えられます。特にフィリピンは、ASEAN主要6か国の中でも日本への訪客数が最も伸びているという結果が出ています。
2025年2月には、フィリピン単体としても訪日人数が過去最高を更新し続けており、日本への興味は高まる一方です。特に、フィリピンにおける「日本の47都道府県」に関する検索トレンドが本調査で明らかになりました。検索数では1位東京、3位大阪、4位京都、5位福岡、6位北海道、7位沖縄が上位を占めていますが、注目すべきは2位に埼玉県がランクインしている点です。
埼玉の魅力と急増するインバウンド
埼玉県は東京へのアクセスが良好で、観光名所の川越市が大いに賑わっています。2023年に川越を訪れた外国人客数は61.5万人に達し、前年比でなんと621.2%の増加を記録しました。川越には「小江戸エリア」として有名なスポットがあり、日本の歴史や文化を体験できる場所として、多くの外国人に支持されています。さらに埼玉県では、在留外国人の数も日本で5番目に多い約23万人を記録しています。
この中でフィリピン人の在留者は2万人おり、特に川口市では外国人の人口が急増しています。川口市は多様性が受け入れられる地域として知られ、住みやすい環境が醸成されていると考えられます。
広島と長崎の関係性
8位にランクインした広島県は、自動車産業をはじめとする製造業が盛んで、ここでもフィリピンからの外国人労働者が多く活躍しています。これにより広島は、国際的な人材の受け入れが進んでいる地域となっているのです。また、対日理解促進のための「JENESYS」プログラムを通じてフィリピンとの交流も進められています。
9位の長崎も、特に記念館や歴史的な背景を持つ観光地としてフィリピンとの結びつきが強い地域です。長崎にはフィリピン初の聖人が殉教した歴史があり、フィリピンの旅行会社との観光プロモーションによっても両国の親睦を深めています。これらの地域は、フィリピンとの歴史的・文化的なつながりから来る観光交流の重要性を示す好例です。
多文化共生の重要性
今回の調査で、埼玉県をはじめとした地域における訪日外国人の検索トレンドが浮き彫りになりました。観光地の魅力だけでなく、在留外国人との結びつきが重要な要素として影響を与えていることが分かります。こうした傾向は、日本における多文化共生を進める手助けとなる可能性があります。
特に在留外国人が年々増加している状況下で、地域の住民とのコミュニケーションや理解が求められるようになっています。一方で、訪日観光客向けのプロモーション施策も同時に展開することが、新たなビジネスチャンスを生むことが期待されています。地域の観光と多文化共生をどう両立させるかは、今後の課題となるでしょう。
詳細な検索トレンドについては、アウンコンサルティングのウェブサイトをご覧ください。