京都フュージョニアリングとフジクラ、革新を導く核融合エネルギー研究プロジェクトを完遂

京都フュージョニアリングとフジクラが手がけた核融合研究プロジェクトの全貌

京都フュージョニアリング株式会社と株式会社フジクラが、英国原子力公社（UKAEA）のプロジェクト「STEP（Spherical Tokamak for Energy Production）」において、HTS（高温超電導）マグネット領域の研究推進を共同で行い、第一ステージを無事に完遂しました。本プロジェクトの目的は、高温超電導マグネットの設計、解析、製造に関する基礎データを取得し、それを元にしたマグネットデザインの高度化を図ることです。

プロジェクトの進行と体制

このプロジェクトは、京都フュージョニアリングのフュージョンプラントのエンジニアリングノウハウと、フジクラの世界有数のHTS線材技術を基盤に進められました。開始にあたり、まず基礎データを得るために試作品コイルの製造に取り組み、仕様や構造を両社で協議しつつ決定しました。

試作品コイルは異なる内部構造を持つ7種が完成し、これを用いた試験が行われました。特に、即座に得られたデータは、HTS線材の特性を鮮明に示すもので、製造したコイルの通電特性も予測通りであることが確認されました。これは、HTS線材の超電導特性を一切損なうことなくコイル製作ができた証拠です。

プロジェクト成果について

最終的には、全ての基礎データがUKIFSに納品され、試作品コイルの設計から製造工程を通じての知見も共有されました。プロジェクトの第一ステージは、その全貌を見事に現実のものとしました。

関与したメンバーから寄せられたコメントも、プロジェクトの成功を強調するものでした。英UKIFSのチームは、プロジェクトの成果を高く評価し、多くのチームメンバーが関与したことによって得られた経験が非常に有益だったと述べています。一方、京都フュージョニアリング及びフジクラのメンバーも、協業の中でお互いの強みを活かしながら、成功裏にプロジェクトを進行できたことに感謝を示しました。

核融合エネルギーにおけるHTSマグネットの重要性

特に、フュージョンエネルギー界においてHTSマグネットが果たす役割は増大しています。国際プロジェクトであるITERなど、世界的な技術蓄積が進む中、民間スタートアップもその早期実用化に向けて積極的に動いています。HTSマグネットの高い磁場を活かすことで、より小型で効率的なシステムの構築が可能で、今後のフュージョンエネルギー開発には欠かせない技術となるでしょう。

本プロジェクトの完遂により、両社の協力と技術的成果は、今後のエネルギー分野における重要な一歩となることが期待されています。核融合エネルギーの実現に向け、引き続き両社の活動が注目されます。