片付けたいのに捨てられない…ゴミ屋敷に住むLGBTの女性。片付けのプロがその姿を公開
「片付けたいのに、捨てられない」そんな悩みを抱える女性の姿に、片付けのプロ集団・関西クリーンサービスが密着。YouTubeで公開された動画は、ゴミ屋敷に暮らす40代の女性・サキさんの心の内側を映し出すとともに、片付けを通して人生の転換期を迎える彼女の姿を描いています。
サキさんは、1Kマンションに一人暮らし。部屋は、人形や洋服で溢れかえり、床が見えない状態でした。コロナ禍で仕事が激減したことで、部屋が荒れ始めたといいます。
しかし、サキさんには、どうしても捨てられないものがありました。それは、幼い頃から愛してきた人形たち。「人形は家族みたいな存在」と語るサキさんにとって、人形を手放すことは、容易ではありませんでした。
ゴミ屋敷の住人、サキさんの素顔
動画では、サキさんの仕事場である大阪ミナミのショーパブ「冗談酒場」の様子も紹介されています。サキさんは、そこでダンサーとしてステージに立っています。
「冗談酒場」は、ニューハーフの方々が集う老舗のショーパブ。サキさんも、元男性です。幼い頃から性別の違和感を感じ、20歳の時に性同一性障害と認識。その後、性別適合手術を受け、現在は戸籍上も女性として生活しています。
「リカちゃん人形で遊ぶのが好きだったんですけど、『これは女の子の遊びなんや』って知ったときはすごくショックでした」「『あの子、女っぽいね』って言われたりするので、隠すようになって…中学年ぐらいからは男の子の友達を作るようになって、無理やり合わせてたって感じですかね。」
そう語るサキさんの言葉からは、幼少期から抱えてきた心の葛藤が伝わってきます。
片付けは心の整理、そして新しい自分への一歩
関西クリーンサービスのスタッフは、サキさんの部屋を片付けながら、人形を手放すことについて丁寧に話し合います。そして、サキさんは、自分にとって本当に大切なものを改めて見つめ直し、少しずつではあるものの、人形を手放す決意をします。
片付けが進むにつれて、サキさんの部屋は、少しずつスッキリとした空間へと変わっていきます。そして、サキさんの心にも変化が訪れます。
「きれいになった後の方が前向きになった気がします」「自炊もするようになったし、物をいっぱい捨てたので、こんなにいっぱいあったんやって思って物欲くも少なくなりましたね。」
サキさんは、片付けを通して、心の整理をするだけでなく、新しい自分へと生まれ変わっていくのです。
多様性への理解を深める動画
この動画は、ゴミ屋敷の片付けを通して、LGBTへの理解を深めるきっかけを与えてくれます。サキさんのように、性的マイノリティであることをオープンにできる人はまだ少なく、多くのLGBTの人たちは、自分自身を隠しながら生きています。
「カミングアウトしたくてもできない人、勇気がなくて、人に本音を話せない人がたくさんいます。LGBTQのみならず、困ってる人が沢山います。」
そう語る乾 菜月さんの言葉は、私たちに、自分とは違う考え方や生き方をしている人たちにも目を向けることの大切さを教えてくれます。
まとめ
関西クリーンサービスが公開した、ゴミ屋敷に住むLGBT女性・サキさんの片付けに密着した動画は、単なる片付け動画ではありません。ゴミ屋敷の片付けを通して、心の整理、そして新しい自分への一歩を踏み出す姿を映し出すことで、多様性への理解を深めるきっかけを与えてくれる、感動的な動画となっています。
ぜひ、この動画をご覧になり、自分自身や周りの人たちについて改めて考えてみてください。