高集積フィルタ登場
2025-06-06 17:21:27

STマイクロエレクトロニクス、新型高集積整合フィルタを発表!

STマイクロエレクトロニクスが新たなフィルタを発表



STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM)が、STM32WL33ワイヤレスシステム・オン・チップ(SoC)向けに新しい高集積整合フィルタを発表しました。このフィルタは、IoT機器やスマートメータ、遠隔モニタリング機器の開発を大幅に簡略化することを目的としています。

製品の特徴


新たに発表されたフィルタには、「MLPF-WL-01D3」、「MLPF-WL-02D3」、および「MLPF-WL-04D3」の3つのモデルがあり、ST独自の集積型受動デバイス(IPD)テクノロジーを採用しています。このテクノロジーにより、インピーダンス整合回路や高調波フィルタが1つのガラス基板上に集積され、無線のRF性能が最適化されています。

このフィルタの大きな利点は、その高精度を超小型パッケージで実現している点です。これにより、開発期間が短縮されるだけでなく、部材コストや基板面積の削減も可能になります。また、最初から最適化された性能を提供できるため、開発者にとって非常に利便性が高い製品です。

ESD保護機能


同製品には、アンテナに対するESD保護が組み込まれており、SoCに接続するRF回路の設計が簡素化されています。インピーダンス整合回路とフィルタが統合されているため、多くのディスクリート部品を必要とせず、信頼性の向上とコスト削減が可能です。

多様な選択肢


STマイクロエレクトロニクスは、この高集積フィルタシリーズとして合計7つの製品を提供予定です。設計者は高帯域(826MHzから958MHz)、低帯域(413MHzから479MHz)、さらには高出力(16dBmや20dBm)、低出力(10dBm)といった条件で無線通信を最適化できます。

非導電性のガラス基板は、その温度ドリフトが極めて小さく、卓越した性能を発揮します。また、超小型チップ・スケール・パッケージのサイズはわずか1.47 x 1.87 mm、リフロー後の部品の高さは630µmに抑えられています。

STM32WL33ワイヤレスSoC


STM32WL33ワイヤレスSoCは、長距離Sub-GHz無線通信を413MHzから479MHz、または826MHzから958MHzのライセンスフリー帯域で行うことができます。このSoCは最大20dBmの出力で送信することが可能で、世界中の法規制に従った利用が期待されています。さらに、ARM® Cortex®-M0+ コアと特選されたペリフェラルを搭載しており、スマートシティやスマート農業、スマート産業向けのリモートモニタリング機器の設計を簡素化します。

対象となるアプリケーションには、スマートメータや安全システム、資産トラッキングデバイス、近接検出が含まれます。また、STM32WL33向けには認証を取得した一連のリファレンス設計(STDES-WL3xxxx)も提供されており、開発にさらなる利便性をもたらします。

量産状況と価格


MLPF-WL-0xD3シリーズは現在、量産中であり、CSPGチップ・スケール・パッケージ(5バンプ)として提供されています。単価は1000個購入時に約0.15ドルと手頃な設定にされています。

STマイクロエレクトロニクスの展望


STマイクロエレクトロニクスは、約50,000名の従業員を擁し、ペースを持ってテクノロジーと市場の進化に対応している半導体メーカーです。彼らは、顧客ビジネスのさらなる発展や持続可能な社会を築くための努力を続けています。STはカーボンニュートラルの達成を目指し、2027年までに再生可能エネルギーの使用率を100%にすることを計画しています。さらに詳しい情報は、公式ウェブサイトをご覧ください。


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会社情報

会社名
STマイクロエレクトロニクス
住所
東京都港区港南2-15-1品川インターシティA棟
電話番号
03-5783-8220

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