大王製紙の新素材
2025-07-29 15:49:58

大王製紙、次世代セルロースナノファイバーの商用生産を開始 - 環境に優しい新素材の未来へ

大王製紙、CNF複合樹脂「ELLEX-R67」の商用生産開始



2025年7月、大王製紙が新たに開発したセルロースナノファイバー(CNF)複合樹脂「ELLEX-R67」の商用生産を開始した。この新素材は、従来のパイロットプラントと比べて20倍の生産能力を持つ、国内最大規模の年産2000トンの商用プラントで製造される。

CNF複合樹脂とは



セルロースナノファイバー(CNF)とは、植物由来の素材であり、軽くて強い特性を持つ繊維です。このCNFを利用した複合樹脂は、さまざまな製品に応用できる可能性を秘めている。しかし、実用化にはコストの低減や物性の向上が課題とされていた。大王製紙は、2020年度からNEDOの支援を受け、製造プロセスの改善を行うことで、これらの課題を克服した。

商用プラントの設置とその意義



大王製紙の三島工場(愛媛県四国中央市)にて設置されたこの新たな商用プラントでは、CNFの前処理から複合樹脂ペレットの生産までを一貫して行うことが可能になった。このプラントの運用開始により、自動車部材や家電製品など、幅広い用途への供給体制が整い、エコに配慮した製品の製造が進むことが期待されている。

CNF複合樹脂「ELLEX-R67」の特長



「ELLEX-R67」は、セルロースを67%含む高濃度ペレットで、33%を樹脂で補完することで、材料の特性と成形性を向上させている。この新素材は、薄肉化を実現することで軽量化を促進し、プラスチック使用の削減に寄与する。また、繊維の強度が高いため、物性の劣化が少なく、リサイクルにも強いことが特長である。

今後の展望



商用プラントを契機に、大王製紙は自動車部材、家電製品、建材など、様々な分野での用途展開を進める考えだ。「ELLEX-R67」の安定供給を確立することで、今後の産業界における新しい素材の社会実装を加速させることを目指している。

また、大王製紙は、ユーザー企業との連携を強化し、CNF複合樹脂の新たな可能性を探るとともに、持続可能な社会の実現にも貢献していく予定である。これからの展開に、大きな期待が寄せられている。

結論



大王製紙が開発した「ELLEX-R67」は、環境に優しい新しい素材としての可能性を持ち、自動車や家電製品など様々な分野で期待されています。今後の技術革新と社会実装の進展を見守りたい。


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会社情報

会社名
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
住所
神奈川県川崎市幸区大宮町1310番ミューザ川崎セントラルタワー
電話番号
044-520-5207

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