東京海上アセットマネジメント株式会社(以下、当社)は、出光興産株式会社や株式会社商船三井などの企業と協力し、新たなブルーカーボン推進と生物多様性の保全における取り組みを開始しました。この活動は、自然由来系脱炭素の拡大を目指し、経済価値の向上をも図るものです。
近年、気候変動が地球環境に与える影響についての関心が高まりを見せています。その特に重要な要素が「生物多様性」です。2021年のCOP26においてもこの問題は国際的に認識されました。日本が抱える問題の一つは、沿岸域における藻場の減少と、それに伴う水中生物への影響です。当社は藻場再生の取り組みを、昨年から石垣市や鎌倉市で行い、自然由来の脱炭素の推進に貢献してきました。
今回の検討会には、日建工学株式会社や富士通株式会社、そして多くの地域金融機関なども参加しており、様々な知見をフル活用することで、日本のブルーカーボン市場の拡大を目指しています。参加者はそれぞれの経験を共有し、相互に協力できる新たな価値を創出することが期待されています。
ブルーカーボンとは、海洋生態系に蓄えられた炭素のことを指します。日本は海洋国家として、このブルーカーボンの創出に非常に大きな潜在能力を持つとされています。特に今回注目すべきは、藻場が持つGHG(温室効果ガス)吸収の能力です。藻場は多種多様な海洋生物の生息地でもあり、沿岸漁業においても重要な役割を果たしています。
しかし、近年の温暖化の影響で、海水温が上昇し藻場の再生コストも増加しています。このような背景から、本検討会はブルーカーボンマーケットを持続可能に発展させるための施策を探ることに意義があります。この会議では、カーボンクレジットの取引基盤や、ブルーカーボンの付加価値向上に役立つ生物多様性評価システムなどの具体案が議論される予定です。
目指すところは、脱炭素の推進と生物多様性の保全を同時に進めていく持続可能な仕組みを構築し、さらにそれを広げることで、地域経済の生産性を向上させることです。検討会への参加企業には、利用可能なソリューションやプラットフォームを発表・共有してもらい、それに基づいて地域のニーズに応じた適切な対策を見いだしていくことになります。
当社はこの取り組みを通じて、日本が抱える温暖化問題への解決策を提示し、さらには2050年までにカーボンニュートラルを達成するための取り組みに貢献していくことを目標としています。持続可能な社会の実現に向け、企業や地域との連携を強化し続けることで、経済の発展に寄与しながら地球環境の保全を目指します。