スーダン・北ダルフールでの人道支援車列攻撃を受けての声明

スーダン・北ダルフールにおける人道支援の危機

2025年6月、新たな悲劇がスーダン北ダルフールで発生しました。国連児童基金（ユニセフ）と世界食糧計画（WFP）が共同で運営している人道支援物資の輸送車列が襲撃され、5名が死亡、さらに多くの職員が負傷する事態が起きました。この攻撃は国際人道法に明確に反し、非難されるべき行為です。

攻撃された人道支援車列

攻撃が行われたのは、北ダルフール州アルコマ近郊で、15台のトラックからなる人道支援車列が、飢餓に苦しむエル・ファーシルの子どもたちやその家族に食料と栄養関連の物資を届けるために移動中でした。この攻撃によって、重要な物資が損失し、何十万人もの人々が栄養不良や飢餓の危険にさらされています。実際に、エル・ファーシルでは多くの子どもたちが命の危機に直面しており、この援助物資が届かなかったことは非常に痛ましいことです。

国際人道法に基づく保護

ユニセフとWFPは、国際人道法に基づき、このような人道支援車列は保護されるべきであり、特に民間人への支援が妨げられてはいけないと強調しています。人道支援に関与するあらゆる関係者は、国際ルールを遵守し、支援物資の通行を迅速に許可されなければならないのです。過去数ヶ月にわたる暴力の激化を受けて、今回の攻撃は決して偶然ではなく、スーダンにおける人道状況がますます悪化していることを示しています。

継続する攻撃と人道支援の緊急性

ユニセフとWFPは、攻撃の即時停止と調査、そして加害者の責任を追及するよう求めています。特に、攻撃を受けた際に負傷した人々への心からのお見舞いを表明し、亡くなった方々に哀悼の意を示しています。また、この状況下で最も脆弱な立場にある子どもたちや家族への支援が代わりに届かなかったことは、非常に心苦しいと述べています。

終わらない人道支援活動の脅威

スーダンでは、人道支援の活動が過去2年間にわたり何度も襲撃を受けてきました。エル・ファーシルのWFPの施設も先週に爆撃を受け、その被害は深刻です。人道支援従事者や物資、さらには民間人が度々攻撃の対象となっている現状から、事態の改善に向けた強い意志が求められます。スーダンの数百万人の命が危険にさらされている今、国際社会全体がこの問題に目を向けなければなりません。

支援を必要とする子どもたちのための募金

このような深刻な状況を受け、ユニセフは緊急支援を行っています。スーダンに住む子どもたちやその家族をサポートするために、日本ユニセフ協会は「人道危機緊急募金」を実施しています。この募金によって、助けを必要としている子どもたちやその家族に物資が届けられることを期待しています。

人道支援の重要性と、スーダンにおける深刻な危機を解決するために、引き続き関心を寄せ、支援を行うことが求められています。