障害者支援雑貨の専門店「マジェルカ」の挑戦
東京・吉祥寺に位置するマジェルカは、障害者施設で生産された福祉雑貨を専門に扱う店である。2011年の開業以来、障害者による手作りの雑貨を販売し、業界のパイオニアとして注目を集めてきた。このたび、同店はすべての人々にその商品を知ってもらうため、取扱い商品の約8割を値下げする方針を発表した。
マジェルカが推進する「ウェルフェアトレード」
福祉雑貨と聞くと、どうしても「安価」で「バザー売り」というイメージが強い。だが、マジェルカでは、こうした製品に適正な価値を付け、継続的に販売する仕組みを構築している。その理念が「ウェルフェアトレード」だ。この言葉は「福祉」と「フェアトレード」を掛け合わせた造語で、障害者が持つ商品の価値を正しく評価し、彼ら自身の経済的自立を支援することを目的としている。
値下げの背景と意義
コロナ禍を経て、消費者の購買行動は大きく変更された。こうした変化に対応し、より多くの人に福祉雑貨を手に取ってもらうために、マジェルカは徹底的な価格見直しを行った。これによって、障害者が作った作品への関心を高め、広く知ってもらうきっかけとしたいと考えている。
特筆すべきは、値下げに際して製品の作り手である障害者施設に対して買取価格を引き下げない方針を取っている点だ。これにより、マジェルカ自身の利益は減少するものの、「社会的利益」の増大を期待している。具体的には、一人でも多くの人が商品を手に取ることで、障害者への理解を深め、彼らからのフィードバックを受けることで、より良い製品づくりが促進される。
インクルーシブ社会の実現に向けて
障害者に関する偏見や無関心を解消するため、マジェルカは「障がいのある人ない人があたりまえのように混ざり合う社会」の実現を目指している。この活動は、福祉雑貨の普及を通じて、障害者の社会的評価を向上させることにも繋がる。
さらに、マジェルカは商品販売以外にも、寄付やボランティアとして支援する意義を強調している。興味を持っている人々は、その活動への参加や支援を歓迎している。
結び
マジェルカは、今後も障害者の作品の魅力を年々引き出し、多くの人々との接点を広げることを目指している。彼らの活動に興味がある方は、ぜひ公式サイトを訪れてほしい。
団体概要
一般社団法人マジェルカ
所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町3-3-11 中田ビル
代表者:藤本光浩
設立:2020年10月(ショップ「マジェルカ」は2011年開始)
URL:
公式サイト