新庁舎で実現する海士町の未来共創
島根県海士町が2024年11月23日から新たに運営を開始した未来共創スペース「しゃばりば」は、住民と行政が一体となって地域を運営する挑戦的な取り組みです。このスペースは、町民の意見を反映させるだけでなく、交流を通じて新たな価値を生み出すことを目的としています。
新庁舎の愛称「あま丸」は、町民がともに未来へ漕ぎ出す船としての思いを込めたものです。このエリアは、一つの接点となり、様々な人と情報が混ざり合うプラットフォームとして機能します。「しゃばりば」は、海士町に住む人々だけでなく、訪れる人も利用できるコワーキングスペースや交流の場を提供します。
「しゃばりば」のコンセプトと意義
「しゃばりば」のコンセプトは「つながる×つなげる、時とともに進化する誰にも開かれたチャレンジシップ」です。この場を通じて、住民同士が交流しながら新たなアイデアを共有し、未来を共創していくことが期待されています。名前の由来である海士弁の「しゃばる(引っ張る)」には、ここに集うすべての人が互いに支え合うという意味が込められています。
このスペースでは、住民参加型のワークショップやイベントが随時行われ、地域の人たちが自分たちの意見を直接行政に伝える機会が創出されます。これにより、地域の課題解決や新たなプロジェクトの発案が促進され、共感を持って町を支える人々が増えることを目指しています。
全国的に珍しい運営体制
「しゃばりば」は単なる町役場の一部ではなく、官民連携によって運営されています。この新しい試みは、海士町特有の文化や方針がしっかりと根付いていることが背景にあります。今後、この取り組みを通じて、人々が集まり、視覚センスや知識が連鎖的に広がる場となることが期待されています。
運営の基本方針には「人の還流をつくる」「新しい価値観や物事を知る場」が掲げられており、これは「しゃばりば」が地域社会における新たな出発点となる身近な存在であってほしいという願いを反映しています。
価値観の再発見と再構築
「しゃばりば」の構築過程では、過去の役場の備品をリユースし、新たな命を吹き込むことがテーマとなりました。360点以上の古い備品が再利用され、島内外からの参加者による発想が詰まった空間が実現しました。こういった取り組みは、単なる物理的な場をデザインするだけでなく、地域の結束力や共同体意識を高める要素ともなっています。
海士町のさらなる発展へ
「しゃばりば」のつながりがもたらすのは、単に町民同士の表面的な交流だけでありません。新庁舎の本格稼働が始まる2025年4月以降には、移住者や観光客も含め、多くの人々が海士町に集うことが期待されます。この場が新たな出会いや繋がりの起点となり、より多くの人々が海士町に関わってくれることを秋からの運営を通じて肌で感じることできるでしょう。
結論
海士町の「しゃばりば」は、持続可能な地域社会の未来を描く新しい拠点です。地域の文化や価値観を大切にしながら、互いに引っ張り合い、共に経済や生活の質を向上させていける場所を目指しています。「しゃばりば」に集乙とその未来に思いを寄せるすべての人々が一緒に成長することを願っています。