イーセップ、シリーズBラウンド1stクローズ!三井金属、日東精工、広島VCから資金調達を実施
京都府精華町に本社を置くイーセップ株式会社が、三井金属、日東精工、広島VCからの資金調達を実施しました。今回の調達額は累計で6億6千万円に達し、2024年9月末頃まで2ndクローズを予定しています。
イーセップは、カーボンニュートラルの実現に向け、セラミック分離膜の開発を進めています。今回の資金調達により、この分離膜の量産化を加速させ、カーボンニュートラル社会の実現に大きく貢献していく計画です。
三井金属とは、2022年7月にe-fuel製造用メンブレンリアクターの開発などで協業を開始しており、今回の出資により、その共同開発をさらに進めていくとのことです。また、日東精工とは2023年8月に有機溶剤のリサイクル事業において業務提携しており、今回の出資を通じて、さらなる連携強化とセラミック分離膜の量産化を推進していく予定です。
広島VCとの連携は、イーセップが広島大学発のシーズ技術を基に事業化しており、広島大学に産学連携拠点を設立していることが大きな要因となっています。今回の出資により、広島大学との連携をさらに強化していくとのことです。
各投資家からのコメント
三井金属鉱業株式会社 事業創造本部 市場共創推進部長 曽我部信義氏は、「持続可能な社会の実現に貢献する事業創出に取り組んでいます。イーセップ社の分離膜技術と当社の無機材料技術・触媒技術との融合により、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する事業機会を追求して参りました。今回のラウンドでも出資させて頂き、引き続きイーセップ社の成長を応援するとともに、一緒に持続可能な社会の実現を目指していけることを光栄に思います。」とコメントしています。
日東精工株式会社 取締役 兼 常務執行役員 研究開発・生産技術本部 本部長 兼 制御システム事業本部 本部長 山添重博氏は、「持続可能な社会の実現に向けて地域や地球環境の課題に対して積極的に取り組む姿勢を示しています。イーセップ社の高度な膜分離技術に魅力を感じ、カーボン・ニュートラル社会の実現に向けた取り組みに賛同します。当社が保有する「プラント製作・流体制御・防爆」技術とイーセップ社の技術を融合させることで、カーボン・ニュートラル社会の実現に大きく貢献できると確信しています。Win-Winの関係性を築き、脱炭素分野で京都府はもとより日本を代表する企業を目指し、互いの事業成長に貢献して参りたいと考えています。」とコメントしています。
株式会社広島ベンチャーキャピタル シニアマネージャー 大江拓真氏は、「世界中のあらゆる工業の中核を担う石油・化学プラントにおいて、長年、過大な環境負荷・コスト負担は人類共通の最重要課題の1つであったといっても過言ではありません。その抜本的解決策として従来より膜分離技術が提唱される中、過去30年以上にもわたって多くの企業や研究者がその実用化と大量生産に挑んできましたが、未だ果たせない中、ようやくイーセップが世界で初めてその高い壁を乗り越えようとしています。その市場インパクトや社会的意義の大きさ、そして当社のポテンシャルの高さは言うに及ばず、その中核技術として広島大学発のシーズ技術をベースにされ、広島に拠点を設け広島大学卒業生を多く採用されている当社へ、広島VCが支援する意義は十分に大きいものと考えます。今後とも当社へは地域密着型VCとして微力ながらできる限りの支援をしていきたく、一連の取り組みを通じて、世界的なカーボン・ニュートラルの促進はもとより、広島地域の活性化の一助とすべく邁進していく所存です。」とコメントしています。
イーセップの代表取締役 澤村健一氏は、「カーボン・ニュートラルの実現に向けてセラミック分離膜の開発を着実に進めて参りました。この度は、三井金属様・日東精工様・広島VC様に出資頂き、分離膜の量産化を進め、カーボン・ニュートラル社会の実現にまい進して参ります。」とコメントしています。
イーセップの取り組みは、持続可能な社会の実現に大きく貢献すると期待されています。今後の取り組みにも注目していきましょう。