日本の広告費の現状と成長要因
株式会社電通が発表した「2024年 日本の広告費」によると、総広告費は7兆6,730億円で、前年比104.9%の成長を見せています。この数字は2021年から4年連続で増加し、3年連続で過去最高を記録しました。成長の主な背景には、企業の収益増や消費者の購買意欲の回復、国際イベントおよびインバウンド需要の高まりがあると考えられています。
インターネット広告の急成長
特に見逃せないのが「インターネット広告」の成長です。広告費は3兆6,517億円に達し、前年比109.6%の増加です。この要因として、SNSでの縦型動画広告や、コネクテッドTV向け動画広告の需要の高まりが挙げられます。また、インターネット広告の構成比は総広告費の47.6%を占め、非常に重要な役割を果たしています。
マスコミ四媒体の広告費
マスコミ四媒体広告費も好調で、総額は2兆3,363億円(前年比100.9%)に達します。新聞広告は厳しい状況が続くなか、テレビやラジオの広告費は回復し、雑誌も成長しています。
プロモーションメディア広告
プロモーションメディア広告費も増加し、1兆6,850億円(前年比101.0%)に達しました。特に、コロナ前の人流が戻ったことが影響して、屋外広告や交通広告が活況を呈しています。インバウンド需要も、それを後押しする要因となっています。
メディア別の詳細な分析
マスコミ四媒体広告費
- - 新聞広告費: 3,417億円(前年比97.3%)
- 不透明な経済状況の影響で伸び悩んでいるが、流通業からの出稿は回復。
- - 雑誌広告費: 1,179億円(前年比101.4%)
- SNSを利用したタイアップなどの増加が影響。
- - ラジオ広告費: 1,162億円(前年比102.0%)
- 音声メディアへの関心の高まりが寄与。
- - テレビメディア広告費: 1兆7,605億円(前年比101.5%)
- 大型スポーツイベントの影響で好調。
インターネット広告費
- - インターネット広告媒体費: 2兆9,611億円(前年比110.2%)
- 引き続き動画広告が市場を拡大。
- - 物販系EC広告費: 2,172億円(前年比103.4%)
- オンライン購入者の増加が影響。
プロモーションメディア広告費
- - 屋外広告: 2,889億円(前年比100.8%)
- ラグジュアリー市場が活況。
- - 交通広告: 1,598億円(前年比108.5%)
- 鉄道広告や空港広告が好調。
結論
日本の広告市場は、企業の収益向上や消費意欲の回復といった外部要因に支えられ、成長を続けています。特にインターネット広告が市場を牽引する役割を果たしています。このトレンドは今後も続くと思われ、広告主は新しい広告手法やメディアへの投資意欲が高まると予想されます。2024年のさらなる成長が期待されるこの市場を注視していきたいです。