住宅業界の新たな試み
北海道を拠点にするグッドフィールド株式会社は、寒冷地仕様の建売住宅を展開しており、近年、環境意識の高まりを受けて脱炭素化に取り組んでいます。特に注目されるのが、CO2排出量を可視化し削減をサポートするサービスプラットフォーム「e-dash」を導入したことです。これにより、同社は新築一棟あたりのCO2排出量を約28%も削減することに成功しました。
e-dash導入の背景
グッドフィールドが脱炭素化に本腰を入れるきっかけとなったのは、地元大学院への研究助成を通じて得た経験です。その際に「SDGsウォッシュではないか」との批判を受けたという事実が、より真剣に環境問題に取り組まねばならないとの認識をもたらしました。
最初は表計算ソフトを使ってCO2の算定を行っていたものの、手間と時間がかかり、信頼性に疑問を持たざるを得ませんでした。こうした課題を解決するため、グッドフィールドは「e-dash」に注目し、その導入に踏み切りました。三井物産グループの提供するサービスという点も、同社にとって大きな信頼材料となりました。
導入による具体的な効果
「e-dash」の導入後、グッドフィールドは販売する住宅に関する一連のCO2排出量を詳細に分析し、削減する取り組みを推進しました。その結果、2024年8月には新築戸建住宅の全てをZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準にまで引き上げることができ、2022年に比べて約28%のCO2排出量削減を実現しました。これにより、環境への配慮はビジネスの強化にもつながっています。
近年、全国的にエネルギー効率の高い住宅の需要が急速に高まっていることもあり、グッドフィールドはその先駆者として市場での優位性を確保しています。また、CO2排出量の透明性は金融機関へのアピール材料にもなり、資金調達も有利に進めています。
今後、グッドフィールドはGX(グリーントランスフォーメーション)志向の住宅や3Rの取り組みなどを強化し、より環境負荷の少ない住宅の開発を目指すとのことです。
e-dashのサービス内容
「e-dash」は、CO2排出量削減に向けた総合的な支援を行うサービスプラットフォームです。エネルギーの請求書をアップロードすることで、事業を通じたCO2排出量を自動で算出することができ、非常に便利です。さらに、サプライチェーン全体にわたる排出量の可視化にも対応しているため、企業は簡単に環境影響をレビューできます。このような機能は、環境への取り組みをより効率的かつ効果的に進めるための大きな助けになります。
まとめ
本記事では、グッドフィールド株式会社が「e-dash」を活用して新築住宅のCO2排出量削減に成功した事例をご紹介しました。企業の環境への取り組みは、もはや選択ではなく必須の時代となっています。グッドフィールドのように新しい技術やサービスを活用し、持続可能な未来へと歩みを進める企業の姿勢は他の業界にも励みになることでしょう。