令和6年夏の特別展「お札に描かれた人物」
独立行政法人国立公文書館(東京都千代田区)が、令和6年の夏に特別展「お札に描かれた人物-公文書で見る紙幣の歴史-」を開催しています。この展覧会は9月16日(月・祝)までの期間限定で、これまでの日本の紙幣に描かれた歴史的人物たちを紹介する貴重な機会となっています。近代日本の紙幣の歴史を知ることができるこの展覧会は、特にお金の流通に興味がある方や、歴史を学びたい学生たちにとっても楽しめる内容です。
展示の構成
本特別展は三章から構成され、各章でさまざまな時代の紙幣と関連する人物の肖像を紹介しています。最初の章では明治初期の紙幣について深く掘り下げ、明治政府が発行した太政官札や新紙幣、またその偽造防止のためにデザインされた神功皇后の肖像を取り上げています。明治5年に発行された明治通宝は、特に偽造が横行した時代背景を受けて、造幣技術が進歩していく様子を見ることができます。
次の章では、日本銀行の設立と兌換銀行券の発行についての内容が中心です。明治15年に日本銀行が設立されたことは、日本の貨幣制度に大きな影響を与えました。日本銀行兌換銀券の発行過程では、肖像形象の選定において「日本武尊」や「聖徳太子」などの名があがり、これらの紙幣がどのようにして市民に流通していったのかを探ることができます。この時代の紙幣肖像選定に関する決定過程と、それがもたらした影響についても学ぶことができます。
最後の章として、日本銀行券の時代について紹介します。この時期から、紙幣の肖像選びはより多様化し、また文化人や政治家を含む幅広い人物が登場します。令和6年7月に発行された新しい一万円紙幣の肖像には、近代日本の偉人である渋沢栄一が選ばれました。彼は日本の近代資本主義の父とも呼ばれ、銀行制度や産業振興に尽力したことで知られています。本展では、彼に関する資料や、渋沢栄一が初代紙幣頭として果たした役割も紹介されています。
開催概要とアクセス
この特別展は無料で入場可能で、予約は必要ありません。国立公文書館の展示ホールで、国立公文書館の所蔵資料を元にした、わかりやすい解説付きの展示が展開されているため、知識を深める絶好のチャンスです。
- - 開催場所: 国立公文書館東京本館1階展示ホール
- - 開催期間: 令和6年7月20日(土)〜9月16日(月・祝)
- - 開館時間: 午前9時15分〜午後5時00分、9月13日は午後8時まで
- - アクセス: 東京メトロ東西線竹橋駅下車1b出口徒歩5分
国立公文書館のこの機会をお見逃しなく、ぜひ訪れてみてください。私たちの生活に欠かせない「お金」の背景と、それを支える人々の物語に触れることができる貴重な経験が、ここにはあります。