NPO法人ピースウィンズ・ジャパンと珠洲市の連携
日本の国際NGOである認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、 石川県珠洲市との「包括連携協定書」を2025年6月13日に締結することを発表しました。この協定は、自然災害や人道危機に直面した人々をサポートするために設立されたPWJと、地元自治体が協力して被災者を支援する関係をさらに強化するものです。
包括連携協定の目的
この協定の主な目標は、被災者の生活支援や医療、福祉、介護予防など、様々な分野における協力を促進し、復旧と復興を進めることにあります。特に、自然災害やその他の緊急時において、住民の生命や財産を守るための支援体制を整えることも重要です。
PWJは既に、災害時における支援協力を目的とした協定を珠洲市と結んでおり、今回の包括連携協定締結により、その支援の輪をさらに広げることが期待されています。
支援の具体的な範囲
包括連携協定では、以下のような具体的な支援分野が定められています。
1.
コミュニティの再建
2.
子育て支援
3.
学びの環境の再建
4.
医療・福祉・介護予防
5.
その他必要とされる事項
珠洲市の現状と支援活動
元日の震災や9月の豪雨など、度重なる自然災害により困難な状況にある珠洲市。PWJは、看護師や災害支援に長けたスタッフを常駐させ、支援活動を継続しています。緊急時には、医療支援や捜索・救助活動、避難所運営支援、物資提供などを行っています。現在は仮設住宅への家電支援や、地域住民との面談を通じて「災害関連死」の防止、生活再建の相談、子供たちへの支援を実施中です。
特に、交通手段が途絶えた地域にはヘリコプターを使用し、孤立した集落に向かって臨時診療を行い、被災者に直接支援を届けています。
ピースウィンズ・ジャパンの概要
PWJは、1996年2月に設立された国際NGOです。日本国内外での人道支援や災害緊急支援、地域の復興支援を行っています。本部は広島県にあり、東京事務所や珠洲事務所も設けています。特に、災害時の迅速な医療支援を提供する「空飛ぶ捜索医療団ARROWS」が注目されています。
連携先の重要性
PWJと珠洲市の協定は、地方自治体とNGOが協力する具体的なモデルケースとなるでしょう。この取り組みは、他の被災地や地域にも応用が可能であり、災害時の支援体制を強化するための貴重な経験となることが期待されます。
今後もPWJは、地域住民に寄り添いながら、息の長い支援を続けていく考えです。