宇宙の食料革命
2018-09-26 14:00:46

宇宙における食料の未来 - 藻類スピルリナが切り拓く新時代のタンパク質供給

宇宙における食料の未来 - 藻類スピルリナが切り拓く新時代のタンパク質供給



人類の宇宙活動が進む中、食料供給の課題が浮上しています。宇宙ステーションや今後の月面、さらには火星での滞在を計画するにあたり、地球から全ての食料を運ぶのは現実的ではありません。そのため、宇宙での自給自足が不可欠になります。ここで注目を集めているのが、藻類の一種「スピルリナ」です。

藻類スピルリナの特性


スピルリナは、数十種類の栄養素を豊富に含む藻類で、特にタンパク質の含有量が高いことで知られています。実に、スピルリナの面積当たりのタンパク質生産性は大豆の15倍にも達します。加えて、土地や水の使用量が少ないため、省資源的な栽培が可能です。これらの特性から、スピルリナは未来の新しい食料資源として期待が寄せられています。

月面農場の研究


JAXAでは、月面での食糧生産が重要な研究テーマとなっています。「月面農場」は、地球とは異なる条件下での生産技術を駆使する必要がありますが、スピルリナのような藻類を活用することで、これを実現する可能性があります。スピルリナを利用することにより、リソース(水や酸素など)を最小限に抑えながら特殊な環境でも培養が行えるからです。

近年、ちとせ研究所が開発したシステムは、スピルリナを利用した省資源かつ高効率なタンパク質生産を実現します。この生産システムは、宇宙での長期滞在を支えるためだけでなく、地球上でのタンパク質供給の増大にも寄与することを目指しています。

ちとせ研究所のタンパク質生産システム


ちとせ研究所の提案する新しいシステムは、スピルリナを利用したもので、資源を最小限に抑えつつも高い生産性を発揮します。例えば、人口の増加に伴い2050年には世界のタンパク質需要が倍増すると予測されており、今後の食料事情はますます厳しくなるでしょう。このシステムはその需要に応じ、地球上のさらなる食料供給を実現するためのキーとなるでしょう。

また、スピルリナは、既存の農地と競合せず、ビジネスの規模に応じて柔軟に生産体制を調整できるため、様々なビジネスモデルに応用することが期待されています。

未来への期待


スピルリナを用いたタンパク質生産システムの成功により、宇宙での食料問題が解決されるだけでなく、地球における食料供給の安定にもつながります。人類が2050年以降も豊かに生活できるためには、このような革新技術の導入が不可欠でしょう。ちとせグループは、この研究を通じて、持続可能な未来の食文化の創造に挑んでいます。宇宙と地球をつなぐ新たな食の時代が、今ここに始まろうとしています。

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会社名
Chitose Bio Evolution Pte. Ltd.
住所
神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1KSP R&D棟C432
電話番号
044-813-3380

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