次世代の電力変換を担うGaNデバイスの開発秘話を探る
ローム株式会社は、次世代パワー半導体として注目されるGaN(窒化ガリウム)デバイスの開発に関するショートフィルムを公開しました。この映像は、公式ウェブサイトやYouTubeで視聴可能であり、企業のものづくり哲学を余すところなく伝えています。
GaNデバイスの需要と背景
2020年代に入り、環境問題の解決が求められる中、エネルギー効率の良いデバイスの需要が高まっています。GaNデバイスは、その高効率特性から、特に急速充電器やデータセンター、EV(電気自動車)のオンボードチャージャー向けに使用され、その性能が期待されています。
ロームは、2000年代初頭からGaN材料の研究を実施。2022年には独自にGaN HEMT(高電子移動度トランジスタ)の開発に成功し、同時にGaN専用のゲートドライバICを開発しました。この成果により、高性能ながらも使いにくいとされていたGaN技術を、より幅広いアプリケーションで容易に利用できるようにしました。
ショートフィルムの内容
最近公開されたショートフィルムでは、GaNデバイス開発に伴う技術的な挑戦やストーリーが描かれています。開発者たちのインタビューを通じて、製品の品質向上や生産体制についてのこだわりが紹介されています。特に、ロームが堅持する「品質第一」の理念と、垂直統合型生産体制に焦点を当て、開発の舞台裏が明かされています。
このシリーズは「Stories of Manufacturing」として、様々な技術的な挑戦を取り上げており、今回のGaNデバイスが6作目となります。これまでにも、システムの最適化に焦点を当てた内容やオーディオデバイス開発についてのエピソードが数多く公開されています。
今後の展開
ロームは、10月中にもPR TIMES STORYにてGaNデバイス開発に関する記事を発表予定で、このショートフィルムを通してさらなる理解を深めてもらうことを目指しています。また、ロームの取り組みは、日本のみならず、全世界の産業に影響を与えるものと考えられています。
公式サイトでは日本語、英語、ドイツ語に対応した情報を提供しており、今後も様々な情報を発信していく予定です。特に、GaNデバイスはカーボンニュートラルの実現にも寄与する重要な技術であるため、その発展に期待が寄せられています。
ロームについて
ローム株式会社は、1958年に設立された半導体及び電子部品メーカーであり、自動車や産業機器、民生、通信など多種多様な分野で活躍しています。ロームの強みは、パワーデバイスの開発を通じて、高品質で信頼性の高い製品を提供することであり、システム全体を最適化するソリューションを提案することです。詳細情報は公式ウェブサイトで確認できます。
ロームの挑戦は、今後も形を変えながら続いていくでしょう。新しい時代を担うGaNデバイスの未来に、ぜひ注目していただきたいと思います。