八女提灯が彩る涼しげな夏のワンビル
2025年8月1日から12日までの12日間、福岡市中央区の「ONE FUKUOKA BLDG.」(通称、ワンビル)で特別な展示が行われます。今回は、大分県八女市の伝統工芸品である八女提灯が主役です。約50灯の妖怪をテーマにした提灯が、訪れる人々を涼しげに迎え入れます。
地域の伝統工芸とのコラボレーション
ワンビルは「創造交差点」をコンセプトに、世界中のアーティストによる作品を取り入れてきました。今回、この場所にふさわしい形で、福岡の伝統工芸品である八女提灯が展示され、常設アートとのコラボレーションが実現します。これは、地元の魅力を発信するための新たな試みであり、クリエイティブな空間を演出しています。
今回の展示では、1815年創業の【伊藤権次郎商店】が手掛ける特別な八女提灯が並びます。この商店は、伝統を守りつつ、新しい息吹を吹き込んだ提灯作りが高く評価されています。その作品には、博多座や福岡空港の大提灯を制作した実績もあり、国内外で八女提灯の魅力を広めています。
妖怪提灯の魅力
展示される妖怪提灯は、毎年夏に行われる「奇怪夜行」にも登場し、地域の文化イベントとして親しまれています。妖怪たちが描かれた提灯が初めてワンビルに“出張”することで、天神エリアに訪れる全ての人々にも涼しさを感じてもらうことを目指しています。
特別イベントの開催
展示期間中には、来場者が楽しめるさまざまな特別イベントも用意されています。8月1日から12日の間、月曜日から金曜日の8:00~20:00、土日は10:00~20:00で、妖怪提灯に囲まれたフォトブースがワンビル6階に登場します。このフォトブースで撮影した写真を柳川藩主立花邸 御花で提示すれば、無料で入館できる特典もあります。
さらに、8月12日には限定イベントとして、提灯の絵付け体験が予定されています。伊藤権次郎商店の絵付け職人から指導を受けながら、自分だけのオリジナルのミニ提灯を作ることができます。参加費は5,500円で、事前予約が必要です。
伝統工芸の新たな普及を目指して
ワンビルでは、地域の伝統工芸と現代アートの融合を通して、創造的な環境づくりを行っています。近年、国から伝統的工芸品として指定された八女提灯は、近代的なデザインや使用法にも対応し、多くの人に親しまれています。特に、提灯の制作技術として「一条螺旋式」が広く知られており、この技術の魅力がより一層の注目を集めています。
今夏、妖怪たちとともに彩られる八女提灯。この展示が、福岡の文化や伝統の魅力発信の一助となり、多くの方々に新たな発見をもたらすことを期待しています。