次世代研究者支援プログラム「Nova Science Fellowship」の始動
2025年4月、「ANRI株式会社」と「一般社団法人STELLAR SCIENCE FOUNDATION(SS-F)」が共同で、新たな研究助成プログラム「Nova Science Fellowship」を立ち上げることを発表しました。このプログラムは、ライフサイエンス分野を中心に、挑戦的で社会にインパクトを与える研究に取り組む若手研究者を対象としています。
プログラムの目的と背景
「Nova Science Fellowship」は、若手研究者の育成とネットワーク形成を支援することを目的としています。ANRIは、大学発のスタートアップ支援に專念し、ディープテック領域の発展を目指してきました。一方、SS-Fは研究者と様々な関係者との交流を設計し、「People-Centric」の理念に基づいた研究環境を提供してきました。
若手研究者にとって、資金提供だけでなく、多様な人々との信頼関係を築くことが重要です。ANRIとSS-Fの連携により、研究者は早期から多様な視点を持つことができ、社会とのつながりを意識しながら成長できる土壌が整えられます。
プログラムの内容
本プログラムでは採択者に対して、年間100万円(最長2年間で最大200万円)のグラントが提供され、さらに多様な分野の専門家とのネットワーキングの機会も用意されています。これにより、社会実装を視野に入れた研究の次のステージへの伴走型サポートが行われます。
また、論文執筆や研究発信を支援する専門プログラムへの優先参加権も与えられます。
対象者と選考基準
本プログラムの対象者は、2025年4月1日時点で博士号取得後8年未満の研究者で、日本国内の研究機関に所属することが求められます。国籍は不問ですが、日本語での事務処理が可能である必要があります。応募者は、ANRIのビジョン「未来を創ろう、圧倒的な未来を」とSS-Fの「Stellarness」という価値観に基づいて評価されます。「Stellarness」は、優れた研究力だけでなく、創造的な視点や他者との協働能力を備えた研究者に共通する特性を指します。
選考は、3段階の流れで進められます。書類選考から始まり、続いて動画選考、判断を必要とする最終選考では対面の面談が行われます。
応募方法とスケジュール
応募受付は2025年4月25日から始まり、締め切りは2025年5月30日です。その後、選考を経て採択者が決定されます。詳細は特設サイトで公開されており、応募に必要な書類も同サイトからダウンロードが可能です。
コメント
ANRIのシニアプリンシパルである宮﨑勇典氏は、「研究者同士の新たな接点を生み出すことで、若手研究者が自由に羽ばたけるような環境作りを目指している」と述べています。SS-Fの共同創業者、苔口穂高氏もこのプログラムに期待を寄せ、「次世代の研究者たちが社会と接続し、実践的な視座を持つための挑戦である」とコメントしています。
若手研究者にとって、この「Nova Science Fellowship」は自身の研究が社会にどのように貢献できるかを考える素晴らしい機会となるでしょう。