平安時代の人形「這子」復活プロジェクトが始まる
平安時代の伝統文化を現代に伝える「這子」の復活プロジェクトが、11月1日から開始されます。このプロジェクトは、平安寿峰が中心となって進めており、宮中装束を忠実に再現した雛人形の制作実績がある京都の有職京人形司が手掛けています。これまで皇室や伊勢神宮、出雲大社に奉納された実績もあり、京人形の伝統を語る上で欠かせない存在です。
現代社会における孤独感
少子化による節句人形の需要が落ち込む中、新型コロナウイルスの影響で催事が激減していることも、平安寿峰の厳しい状況を助長しています。コロナ禍においては、立ち合い出産ができない、家族同士のつながりが薄くなるなど、育児をする女性たちへの支援が不足しているという問題もあります。そんな孤独な状況の中で、「這子」が人々に安らぎやつながりを提供できる存在として期待されています。
「這子」の復活とその意義
「這子」は、雛人形とは異なり、飾りやすい特性を持っています。平安寿峰は、現代のニーズに応えるべく、失われつつある文化を再生させ、家族の絆を深める役割を持たせたいと考えています。「家族の思いを『這子』によって届ける」というメッセージを込めて、この復活プロジェクトを企画しました。
京都信用保証協会との連携
このプロジェクトの実現に向けては、京都信用保証協会の協力が大きな力となっています。平安寿峰は、日頃から企業支援を行う同協会と連携し、商品化を進めました。このタイアップにより、京都産業大学とのコラボも実現し、より幅広い支援を受けることが出来ました。
クラウドファンディングによる展開
「這子」復活プロジェクトでは、単なる販売ではなく、クラウドファンディングを通じて、広く一般の人々にこのプロジェクトを知ってもらうことを狙っています。リターンとして、京都産業大学の中井ゼミが発案した「手作り這子キット」が提供され、利用者が自らの思いを込めたこれだけのオリジナルの「這子」を作ることができます。
完成品の「這子」も含め、4種類を取り揃えており、それぞれが安産祈願で著名な六孫王神社で祈祷済み。これにより、地域の文化を尊重しつつ、安産や健育を願うすべての人々に届けることを目指しています。
文化発信への挑戦
このクラウドファンディングをきっかけに、平安寿峰は自社のホームページを通じて商品を提供し、さらには世界中の人々に「這子」を手に取ってもらう機会を創出する予定です。「家族を思う文化」を新たな形で広め、現代社会に適応させていく過程を追っていきます。
詳しくは、
有限会社沙雅の人形の公式ホームページや
「這子」復活プロジェクトページをご覧ください。