Indeedによる2025年6月の求人掲載賃金動向
日本のNo.1求人サイト「Indeed」が2025年6月の求人掲載賃金についてのレポートを発表しました。このテーマに関して、国際的なエコノミックリサーチ機関であるIndeed Hiring Labのエコノミスト青木雄介氏が詳細な分析を行いました。レポートは、賃金の上昇率が鈍化傾向にある中で、そのペースが緩やかになっていることを指摘しています。
求人掲載賃金の上昇率
2025年6月の求人掲載賃金は、前年同月比で+2.9%の上昇を記録しました。前月の5月には+3.3%という結果が出ていたため、鈍化しているものの、その鈍化のスピードは緩やかになっています。このデータは、求人市場の賃金動向における重要な指標であり、多くの業種に影響を及ぼしています。
特に、年間を通じて求人掲載賃金の動きを追っているIndeed賃金トラッカーによると、6月は前年同月比+2.74%となり、前月の+2.66%を若干上回るなど、一時的な現象ではあるものの、賃金上昇の鈍化に一定の歯止めがかかる兆しも見受けられます。
職種別の賃金上昇率
最新のデータに基づく職種別の賃金上昇率を分析したところ、全体の約6割の職種において賃金上昇率が前月よりも鈍化していることが分かりました。一方で、約4割の職種では賃金上昇率が加速または持ち直しの兆しを見せています。これは、業界や職種の需給バランス、さらに季節的な要因に依存しています。
たとえば、歯科やマーケティング、医療技術、機械工学、不動産などの職種では賃金が加速しており、前月と比較しても良好な結果が見られました。また、保育や医療事務、設備管理などの職種でも上昇が見られています。
逆に、飲食業や小売業、事務職、介護職などの場面では依然として賃金上昇率の鈍化が続いており、これらの職種間では動きに大きなばらつきが見られます。
影響要因について
賃金動向の背景には、企業の経済に対する姿勢や市場の不確実性が影響しています。企業は今後の状況を見極める中で、賃金への姿勢を見直す必要があるかもしれません。
さらに、業種や職種ごとの需給バランスが賃金動向に大きく影響していることも理解しておくべきです。これにより、いくつかの職種では賃金が上昇する一方で、多くの職種が依然として苦戦している現状が浮き彫りになりました。
Indeed Hiring Labについて
Indeed Hiring Labは、世界No.1の求人サイト「Indeed」に関連する国際的なエコノミックリサーチ機関です。労働市場に特殊な調査や研究を行い、その結果を求職者や企業に向けて公開しています。こうしたデータは、今後の求人動向を考える上で非常に役立つ情報です。また、Indeedの日本向けウェブサイトでは、労働市場に関するさまざまな調査結果を報告し、最新のトピックを提供しています。
With 6億以上の求職者プロファイルを有し、60か国以上で利用されているIndeedは、職探しの際に非常に重要な役割を果たしています。今後の求人市場の動向について、このレポートを参考にしながら注視していく必要があります。