UNHCRの新報告
2025-06-12 16:02:50

UNHCR報告:避難を余儀なくされた人々の数が過去最高に達した理由とは

現代の難民問題:UNHCRの衝撃的な最新報告



国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が発表した年度報告書「グローバル・トレンズ・レポート」によると、2025年4月時点で故郷を失った人の数は驚異的な12,210万人に達しました。この数字は前年から増加しており、過去10年間にわたり難民や国内避難民の数が増加し続けています。主な理由として挙げられるのは、スーダン、ミャンマー、ウクライナなどでの大規模な紛争や、紛争解決の見通しが立たない状況です。

フィリッポ・グランディUNHCR高等弁務官は、「私たちは国際社会が不安定な時代にあると実感しています。現代の紛争は多くの人々に壊滅的な影響を及ぼし、彼らを脆弱な状況に追い込んでいます。この問題に対処し、難民や避難者のために持続可能な解決策を見つけるための努力が必要です」と述べています。

現実を知らせる数値



UNHCRの報告によれば、現在、避難を強いられた人々には、国外に逃れた難民(4,270万人)と自国内で避難した人々(7,350万人)が含まれています。特にスーダンは最も多くの避難民を抱える国で、難民と国内避難民を合わせて1,430万人に達しています。この後にシリア(1,350万人)、アフガニスタン(1,030万人)、ウクライナ(880万人)が続き、これらの国の現状は深刻です。

一般的には、難民は裕福な地域に受け入れられるという見方がありますが、実際にはその67%が近隣国への避難にとどまり、驚くことに73%は低所得国で受け入れられています。また強制的に避難を余儀なくされた人々の多くが国内での避難を余儀なくされています。

資金不足と支援の重要性



難民支援のための資金が現在も厳しい状況にあるなか、大きな問題となっているのが資金の削減です。UNHCRの資金は2015年と同水準に留まっています。これにより、受け入れ難民や避難者の生活環境はさらに脆弱になっています。

グランディ高等弁務官は、「この数年間で、希望の兆しが見えてきています。難民の200万人がシリアへ帰還することができたのです。しかし、シリアはまだ非常に不安定で、生活を再建するためには我々の支援が不可欠です」と語ります。今年、世界で帰還した人の数は980万人に上り、その内訳は、難民160万人(20年以上で最も多い数字)と国内避難民820万人(過去2番目に多い)です。

しかしその多くは厳しい政治的・安全保障状況下での帰還が実施されています。2024年には多くのアフガニスタン人が帰還を余儀なくされるなど、故郷に戻る状況も一筋縄ではいきません。また、コンゴ民主共和国、ミャンマー、南スーダンでは、新たな避難の動きも見られます。

UNHCRの役割と今後の課題



報告書では、UNHCRの活動が難民や避難民の命を救い、帰還を助けるだけでなく、受け入れ国における基本的インフラや社会サービスを強化することが世界の安全保障にとって不可欠であると強調しています。引き続き、安定した資金が必要だと呼びかけています。

継続的な支援がなければ、難民たちはますます厳しい環境に追い込まれてしまいます。国際社会がどのように対処するのかが、これからの未来を左右すると言えるでしょう。


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