高齢者福祉とエネルギー管理の新たな形
株式会社ムダカラが開発したエネルギーマネジメントシステム『EM CLOUD』が、社会福祉法人常山会に導入され、その成功事例がメディアで取り上げられています。常山会は茨城県行方市にある特別養護老人ホーム玉寿荘を運営しており、2024年のこのシステム導入によって、基本料金の年間8万円のコスト削減が実現しました。この成功の背景には、導入前の課題と導入後の効果が大きく関わっています。
導入前の課題
常山会では以前から電気の保守点検会社と契約し、デマンド値を管理するシステムを用いていました。しかし、アラームが鳴ると職員はケア業務の合間にその対応に追われることとなり、エネルギーの節約意識を持つ余裕がありませんでした。さらに、職員が直接電気を消したり、温度を調整したりする方法も限界があったのです。これが常山会が新たなシステムに移行する重要な要因となったのです。
導入の決め手
EM CLOUDを導入する上で、ムダカラの営業担当者の誠実な対応が大きな決定要因となりました。新人の営業担当者が自ら現場に赴き、丁寧に会社の理念や導入のメリットを説明する姿勢が信頼を生み出しました。さらに、電気料金の削減分を元に費用を賄うことができる仕組みも魅力的でした。この具体的なシミュレーション結果をもとに、常山会はEM CLOUDを導入する決定を下しました。
導入後の効果
EM CLOUD導入後、まず目に見える成果は契約電力の大幅な削減です。従来の161kWから151kWに下げることができ、これにより基本料金が年間で約8万円も削減されました。この効果は夏場にはさらに130kW台まで下がる予測が立っており、さらなる節約に期待がかかります。
しかし、コスト削減以上に職員の働きやすさが向上したことが大きな効果として挙げられています。職員がエネルギー管理に気を取られることなく、利用者へのケアに専念できる環境が整ったのです。このように、エネルギーマネジメントシステムの導入は、業務効率の向上にも寄与しています。
EM CLOUDとは
EM CLOUDは、高圧電力を利用する施設の電力使用状況をリアルタイムで見える化し、業務用の空調を自動で制御することによって、施設全体の消費電力を最適化する仕組みです。このシステムの導入によって、施設はコスト削減を図ることができ、同時に省エネへの意識も高めることが期待できます。実績として、すでに100以上の導入施設があり、物流倉庫や大学など多岐にわたる業種で活用されています。
まとめ
社会福祉法人常山会のEM CLOUD導入事例は、エネルギー管理が高齢者福祉に及ぼす影響を示す代表的な事例です。コストの削減と職員の働きやすさ向上という二重の効果を得た常山会の取り組みは、他の施設でも参考になることでしょう。今後、さらなる省エネの意識と実行が期待されます。