持続可能な農産物物流を目指す全日本ラインの取り組み
2024年8月20日に宮崎県トラック協会で開催された研修会では、農産物の持続可能な輸送体制に関する新たな解決策が提案されました。主催は「みやざき農の物流DX推進協議会」で、約80名が参加し、さまざまな業種からの専門家が集まりました。
この研修で講演を行ったのは、全日本ライン株式会社の営業企画部長、内山智生氏です。彼は、青果物流の持続可能性を高めるために、同社が展開する全国14か所の青果センターと、それに連なる物流ネットワークについて詳しく解説しました。
青果流通におけるコールドチェーンの導入
内山氏は、青果センターを中心にした『コールドチェーン』の重要性を強調しました。この体制は、生産から消費までの各段階で、温度管理や品質保持を徹底することを目指しています。現代の青果流通を支えるためには、これまで以上に組織的かつ、デジタル技術の活用が不可欠です。
具体的な施策として取り上げられたのが、輸入青果を使った『統合物流』でした。これは、重要な商材であるバナナなどの輸入青果を基にし、国産青果も一緒に運ぶというモデルです。この方法により、輸送効率が向上し、コスト削減も実現できました。これにより、生産者が持続可能に運営できる環境が整いつつあります。
運べない危機を乗り越える
物流業界は、2024年問題と言われる運送ドライバー不足という深刻な懸念に直面しています。この問題を解消するため、全日本ラインは物流効率を上げるだけでなく、ドライバーの労働環境をも改善しようとしています。労働条件の向上は、業界全体の持続可能性を高めるために重要です。
内山氏は、『生産者と消費者を繋ぐ』という企業理念に基づき、物流の各段階で透明性を保ちながら、効率的で持続可能なネットワークの構築を進めていると語りました。このような取り組みを通じて、全日本ラインは、農産物物流の新しい未来を切り開いているのです。
研修会の情報
この研修会は、農産物の輸送体制を強化するために設計されており、地域の農業を支える重要な機会となりました。宮崎県の農産物を実例として利用しながら、持続的な物流の実現に向けた情報交換が行われました。これからも全日本ラインは、地域の農業生産者と連携して、効率的で効果的な物流の構築に取り組んでいくことでしょう。
まとめ
全日本ラインの取り組みは、地域の農業を支え、持続可能な社会の実現に向けて大きな一歩を踏み出しています。また、こうした取り組みが全国的に広がれば、さらに多くの地域での農産物の流通が促進され、農業への理解が深まることが期待されます。将来的には、より多くの企業がこの持続可能な物流網に参加し、共に発展していくことを願っています。