ハイドレート研究
2024-07-25 03:12:15

最新のハイドレート研究が新材料創出に期待を寄せる

新しいハイドレート構造の発見



最近、横浜国立大学大学院工学研究院の室町実大准教授と産業技術総合研究所の竹谷敏上級主任研究員を中心とした研究チームが、メタンハイドレートとしても知られる包接水和物(ハイドレート)の最後の基本構造を発見しました。この発見は、新しい材料創出やガスに関する技術革新の可能性を秘めており、注目されています。

研究の背景



ハイドレートは、特定の温度と圧力のもとでガス分子が水分子に包み込まれた構造を持つ物質です。これまでに知られているハイドレートには、いくつかの基本構造があり、その中でもHexagonal構造はその構造が幾何学的には成形可能であるものの、熱力学的には不安定であり、実用化には課題がありました。

新しいアプローチ



研究チームは、この不安定なHexagonal構造を安定させるために、フィットする物質を合成し、その物質を利用して構造の安定化に成功しました。この新しい構造は、メタンと二酸化炭素のガス包蔵量が従来のHexagonal派生構造と比べて高いことが特長です。

技術への応用



この成果は、ハイドレートを用いた新しいガス貯蔵・輸送技術や、二酸化炭素の分離・回収技術の実用化につながると期待されています。特に、環境問題が叫ばれる現代において、二酸化炭素の効率的な回収は非常に重要なテーマです。

その他の応用



また、今回開発した手法は、ハイドレート以外の包接化合物にも応用可能で、新たな材料の創出にもつながる可能性があります。これにより、さらに多様な分野での利用が見込まれ、産業界にも影響を与えるでしょう。

未来の展望



本研究成果は、2024年7月24日付けで国際科学雑誌「Science Advances」に掲載される予定です。また、この研究は日本学術振興会の科学研究費補助金の支援を受けて行われました。

今後、実用化に向けたさらなる研究が進むことで、気候変動対策やエネルギーの効率的利用に寄与することが期待されます。新しいハイドレート構造の発見は、科学界だけでなく、幅広い業界にも新しい風を吹き込むことでしょう。

会社情報

会社名
産総研
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。