最近、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYは日本の持続可能な航空燃料(SAF)製造企業として初めてISCC CORSIA認証を取得しました。このニュースは日本におけるSAFの製造と供給体制において重要な進展を意味しており、日揮ホールディングスやコスモ石油といった企業と共同で設立されたSAFFAIRE SKY ENERGYが、原料から供給までを国内で完結させる体制を整えていることを明示しています。
ISCC CORSIA認証は、国際民間航空機関(ICAO)の基準に基づき、持続可能な航空燃料の製造が国際的な環境基準に準拠していることを証明するものです。これは、第三者による厳しい審査プロセスを経て認められるものであり、SAFFAIRE SKY ENERGYが供給するSAFが他の従来の燃料と比べてCO2の排出を大幅に削減できること、また、バイオ原材料が適切に利用されていることが確認されています。
加えて、SAFFAIRE SKY ENERGYは、ISCC EU認証も取得しており、これは欧州連合の再生可能エネルギー指令(RED II)に準拠した製造プロセスを示すものです。これにより、SAFFAIRE SKY ENERGYはISCC認証マークの使用が許可され、提供する製品が持続可能であることを明示することが可能となります。この結果、SAFFAIRE SKY ENERGYが目指すサステナブルな航空燃料の普及が、より力強く後押しされることになります。
この認証取得は、SAFFAIRE SKY ENERGYの取り組みが持つ環境的価値を客観的に証明するもので、廃食用油を原料としたSAFの大規模生産事業において、全ての関係企業が共同で認証を取得したことが強調されます。具体的には、廃食用油の収集事業を行うレボインターナショナルと、SAFを販売するコスモ石油がそれぞれISCC CORSIAおよびISCC EU認証を取得しており、そのサプライチェーン全体が国産SAF製造に繋がっています。
日揮HDは、2022年にSAFFAIRE SKY ENERGYを設立し、国内で発生する廃食用油を活用して年間約3万キロリットルのSAFを供給することを目指しています。現在、大阪府堺市のコスモ石油堺製油所においてSAF製造装置の建設が進行中で、2025年度初頭からの供給開始を見込んでいます。この事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの助成を受けており、脱炭素化社会の実現への貢献が期待されています。
SAFFAIRE SKY ENERGYの取り組みは、持続可能な航空燃料の普及を促進し、環境に優しい社会を実現するために重要なステップを踏み出しています。また、国産資源を活用したSAFの生産が進むことで、地域経済の活性化にも寄与することが期待されています。この努力が将来の航空業界にどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目されます。