男性育業を促進する企業の取り組みと成功事例

近年、男性の育児参加が重要視される中で、企業もその促進に力を入れています。特に、東京都では「TOKYOパパ育業促進企業」という登録制度が設けられ、育児休業の取得率が高い企業がその取り組みを評価される仕組みが整っています。

TOKYOパパ育業促進企業とは

この制度に登録するためには、企業は一定の基準を満たす必要があります。具体的には、過去2年間の男性従業員による育児休業取得率が50％以上であることが求められ、企業の取り組み内容や次年度の目標も報告する必要があります。このようにして、企業は登録状況に応じてゴールド、シルバー、ブロンズのマークを取得します。

具体的に登録している企業の取り組みを見ていきましょう。今回は、株式会社FCEプロセス＆テクノロジー、東急株式会社、森永製菓株式会社、株式会社SAKURUGの4社を取り上げます。

株式会社FCEプロセス＆テクノロジーの取り組み

FCEプロセス＆テクノロジーは、育児休暇を取得したいと考える社員とそれを支援するチームメンバーとの連携を強化し、それに向けた計画を立てることが経営力の向上につながると考えています。育休を取得した社員は精神的に安定し、家庭と仕事の両立が可能になることで、より集中して仕事に取り組むようになるというメリットがあります。

東急株式会社の取り組み

東急株式会社は、10年以上にわたり女性の活躍を推進する中で、男性の育児参加も重要だと認識し、育休制度を導入しました。この制度を利用することにより、従業員は生活者の視点を学び、育児に参加することで仕事に対する意欲が高まります。また、育休中に新たな生活基盤を築くことができるため、復職後も安心して働くことができると好評です。

森永製菓株式会社の取り組み

森永製菓は、「森永ライフ」という社内報を通じて育休制度の紹介や先輩たちの体験談を発信し、制度の理解を深めています。視覚的に訴えることで反響が大きく、声がけや体験談のシェアを通じた文化が浸透し、男性の育休取得が促進されています。男性育業を制度としてだけでなく、キャリア自律の一環として捉えている点も特徴です。

株式会社SAKURUGの取り組み

SAKURUGでは、経営層が率先して男性育業を取得することで、社員の不安を解消し、取得しやすい環境を作り出しました。業務の引き継ぎにおいてもマネジメントを意識し、キャリア志向を大切にしたことが社内の風土を変えるきっかけとなったといいます。男性育業の普及は、少子化や女性の活躍促進にも寄与すると期待されています。