新型ワイヤレスSoC発表
2025-03-11 17:17:23

STマイクロエレクトロニクスが新型ワイヤレスSoC「STM32WBA6」を発表

STマイクロエレクトロニクスが発表した新しいシリーズ「STM32WBA6」は、高度な機能を持ちながら電力効率に優れたワイヤレスシステム・オン・チップ(SoC)です。この製品は、近距離無線通信を行うさまざまな電子機器への接続を可能にしており、特にコンシューマ製品や産業機器からIoTデバイスへの接続が容易になる点が特徴です。

STM32WBA6シリーズは、健康管理用のウェアラブルデバイスから、動物用首輪、電子ロック、リモート気象センサに至るまで、スマートなコネクテッド機器に最適な設計です。優れた電力効率が実現されており、さらにメモリの増設とデジタルインターフェースの強化がなされています。これにより、新たな製品設計に必要な機能を多く取り入れることができるようになりました。

また、STM32WBA6シリーズには、高度なセキュリティ機能も組み込まれています。暗号化アクセラレータや、TrustZone®を用いたアイソレーション、乱数生成器などが搭載されており、SESIP3およびPSA Level3に準拠した認証可能なセキュリティ資産を提供しています。これにより、今後の欧州無線機器指令(RED)や、欧州のサイバーレジリエンス法(CRA)への適合に貢献します。

STの汎用マイコン事業部のジェネラル・マネージャーであるPatrick Aidoune氏は、「堅牢な無線通信はIoT成功の鍵です。STM32WBA6は多機能・大容量メモリを兼ね備えており、スマートホームやスマートヘルス、スマートファクトリーに活用できるため、お客様は開発期間を短縮し、市場の需要を満たす製品開発に取り組むことができます」とのコメントを発表しました。

STM32WBA6シリーズは、2.4GHz周波数帯で動作するBluetooth、Zigbee、Thread、Matterなど、複数の通信プロトコルに対応しており、これにより、例えばスマートホームブリッジなどのシステムでは、Bluetooth経由で居住者の mobile アプリと連携しつつ、Zigbeeなどのメッシュネットワークを通じて照明や温度調整を行えることが特徴です。さらに、コスト重視のシンプルなアプリケーション向けの単一プロトコルにも対応したモデルも用意されています。

採用可能性の例として、Meta System社の最高技術責任者、Vittorio Ferrari氏は「STM32WBA6は、低消費電力や高度なサイバーセキュリティを提供し、高度な車載ドライバモニタリングや緊急通報ソリューションに最適です。迅速なプロトタイプ開発を支えてもらい、業界基準への適合を達成できました」とコメントしています。

技術的には、STM32WBA6はプロセッサ、ペリフェラル、ワイヤレスサブシステムを組み合わせた設計で、コンパクトなレイアウトとコスト削減に貢献します。従来のシリーズに比べて、最大2倍のFlashメモリとラムを搭載しており、ストレージ能力も向上しています。また、USBハイスピード接続や多様なデジタルインターフェースも備えています。

STM32WBA6シリーズのワイヤレスサブシステムは、高性能で感度を向上させ、指定された範囲において安定した接続を実現することができます。STM32WBA5およびSTM32WBA6は、Arm Cortex-M33プロセッサをエンジンに搭載し、浮動小数点ユニットとDSP拡張の機能もあり、最大100MHzで動作します。また、これらの製品は、最新の欧州無線機器指令(RED)のサイバーセキュリティ要件に対応しており、SESIP3認証を目指しています。

STM32WBA6はさまざまなパッケージで提供され、特にUFQFPN48(7 x 7mm)やUFBGA121(6 x 6mm)、さらに薄型のWLCSP(ウエハレベル・チップ・スケール・パッケージ)も含まれています。量産はすでに始まっており、価格は約2.50ドルから設定されています。詳細情報はSTの公式ウェブサイトでご確認いただけます。STマイクロエレクトロニクスは、幅広い製品とサービスを通じて、持続可能な社会を支える半導体ソリューションを提供しています。今後の技術の進化が期待されています。


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会社情報

会社名
STマイクロエレクトロニクス
住所
東京都港区港南2-15-1品川インターシティA棟
電話番号
03-5783-8220

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