シアトル近郊での新たな住宅開発:住友林業と熊谷組の共同プロジェクト
46年来の経験を持つ住友林業株式会社と熊谷組、さらに芙蓉総合リースが米国の大手デベロッパーであるTrammell Crow Residentialとの共同で、ワシントン州シアトル近郊に賃貸用集合住宅の開発に乗り出しました。このプロジェクトは、特に注目されるイーストサイドのベルビュー市に計388戸を有する8階建ての建物が建設されるものです。着工は2025年9月を予定し、賃貸が開始されるのは2028年12月となっています。
プロジェクトの背景と概要
本プロジェクトは、住友林業とTCR社の8件目の協業となり、過去のイサクアプロジェクトに続く新たな試みです。特にシアトルの都市圏では、企業の集積と雇用の増加が目立つ中で、高品質の居住空間が求められています。この住宅は、1-3階がRC造、4-8階が木造でできており、建設コストを抑える工夫がされています。この木造構造はエンボディドカーボンの削減を意識しており、使用する木材がCO2を長期的に貯蔵してくれる点でも環境に優しい変更となっています。
ターゲット層と住居の特徴
「ヤングプロフェッショナル」と呼ばれるビジネスパーソン群を主なターゲットとして設定。そのため、ファミリー層や中高年の夫婦向けにも多様な間取りが用意されています。最新鋭のフィットネスセンターから、ダウンタウンの景色が望めるルーフトップデッキ、オフィススペース、ペットケア設備まで、入居者の快適な生活を支えるための共用施設が豊富に準備されています。
エリアの魅力と交通利便性
その立地は、シアトル・タコマ国際空港から車で25分、シアトル中心部まで約15分と、交通の便も非常に良いのが特徴です。また、大型のバスターミナルEastgate Park & Rideの近くにあり、AmazonやMicrosoft、T-Mobileといった大企業へのアクセスも容易な環境。さらに、周辺にはワシントン州最大規模のコミュニティカレッジであるBellevue Collegeも位置しており、教育環境も恵まれています。
共同開発の新たな一歩
住友林業、熊谷組、芙蓉リースの3社は共同でこのプロジェクトを推進しており、住友林業の子会社が開発を統括します。住友林業グループは2018年に不動産開発事業に参入、今やアメリカ国内で4位相当の存在感を示すに至っています。特にTCRとのパートナーシップが、さらなる成長の原動力とされています。
未来への取り組み
住友林業グループは「Mission TREEING 2030」という長期ビジョンを掲げ、2030年までに年間1万戸以上の賃貸集合住宅供給を目指しています。また、熊谷組もESGに関連する取り組みを進めており、持続可能なコミュニティ構築に注力しています。これらの動きが、今後の住宅市場にどのような影響を及ぼすか注目されます。
充実した生活環境と交通利便性を兼ね備えた新たな集合住宅の開発が、シアトル近郊にどのように貢献していくのか、その完成が待ち遠しいです。