SLAS利用の実証実験
2024-08-04 10:24:14

名古屋で実施、準天頂衛星システムを活用した電動キックボードの測位精度実験

名古屋で進化する電動キックボードの測位技術



名古屋市西区に本社を置くCrystal株式会社が最近、電動キックボード「Su__i」を用いた実証実験を行い、準天頂衛星システムである「みちびき」のサブメータ級測位補強サービス(SLAS)の効果を検証しました。実験の結果、SLASを使用することで、スマートフォン単体による測位に比べ、より高い精度と信頼性のある位置情報が得られることが明らかになりました。

実証実験の背景と目的



自動運転車両やMobility as a Service(MaaS)の普及に伴い、高精度な位置情報が必要とされる場面が急増しています。Crystal株式会社は「移動にもっと心のゆとりをつくる」という企業理念をもとに、シェアリングモビリティの新たな価値を提供するべく、SLASを活用した測位精度の向上を目指しました。これにより、移動中の安心感と安全性をさらに向上させることが狙いです。

実験の様子と使用機器



実験は名古屋市内の狭い住宅街や高層ビルが多い地域で行われました。SLASを利用するため、特別な受信機QZ1を用いて測位を行い、その精度をスマートフォンでの測位と比較しました。具体的には、Xiaomiの「Redmi Note 10 Pro」を使用して、既存のスマートフォン測位技術と新しいSLASによる測位技術の違いを明確にしました。

測位精度の比較結果



実験の結果、SLASを利用した測位は、スマートフォンによる測位と比較して明らかに精度が向上しました。狭い住宅街では、SLASの測位誤差が平均6.17mで、スマートフォンの7.58mよりも優れており、誤差が12m以下に収まる割合はSLASで約95%、スマートフォンでは約85%でした。また、SLASを使用した測位は、実際の走行経路に近い結果を示し、その信頼性が高いことが視覚的なデータにより証明されました。

さらに、高層ビルが密集している周辺でもSLASが有利な結果をもたらしました。特に、広小路通などの場所では、SLASによる測位で誤差が5mに収まり、スマートフォンの測位では20m以上の誤差がたびたび発生しました。これは、準天頂衛星「みちびき」の特長であり、都市部での高精度な測位を促進する要因となっています。

今後の展望



今回の実験結果を受けて、Crystal株式会社は、Su__iの測位精度をさらに向上させるための研究開発を進めていく方針を示しました。特にSLASの利用は、都市部や複雑な環境においても高精度な位置情報を提供できるため、社内の技術革新においても重要な位置を占めることになるでしょう。これにより、利用者はますます安心してSu__iを利用できるように、さらなる安全性を確保していく計画です。

実証実験を通じて、今後の移動体験がより快適で、安心感のあるものになることが期待されます。数年後には、サブメータ級の位置情報サービスがさらに進化し、一般市民の日常に溶け込むことが実現するでしょう。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

画像11

画像12

画像13

画像14

画像15

画像16

画像17

会社情報

会社名
Crystal 株式会社
住所
愛知県名古屋市西区那古野2-14-1なごのキャンパス2-6
電話番号
052-526-3692

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。