イノカ、マレーシアで海洋資源保全の新たな挑戦を開始
株式会社イノカは、2024年10月にマレーシアのサイバージャヤに新たな海外子会社「イノカアジア」を設立し、海洋資源保全活動の展開を開始します。このプロジェクトは、地球上でも特に珍しい生物多様性を持つ東南アジアにおける海洋資源の再生・保全を目指した取り組みです。イノカは、マレーシアサインズ大学(USM)との基本合意書(MOU)を締結し、藻類や海草の研究開発を加速させることを決定しました。
海洋資源保全の重要性
東南アジア地域は、「コーラルトライアングル」として知られ、全世界のサンゴ礁の約30%を抱えています。この地域には3,000種以上の魚類が生息し、豊かな海洋資源が広がっています。しかし、近年の乱獲や沿岸開発に伴う環境問題が悪化し、約85%のサンゴ礁が絶滅の危機に瀕しています。このため、イノカは海洋資源を守るために具体的な行動を取ることを決心したのです。
環境移送技術とは
イノカが持つ「環境移送技術®」は、海洋環境を水槽内で再現する独自の技術です。この技術により、AIおよびIoTデバイスを使用して、自然環境をデジタル化。水質や水温、光などを操り、臨場感あふれる研究環境を整えています。この方法で、2022年にはサンゴの人工産卵に成功するなど、実績を上げています。
MOU締結による相乗効果
マレーシアサインズ大学とのMOU締結は、このプロジェクトの第一歩です。本合意によって、イノカは藻類や海草の保護と地域の持続可能な経済発展を両立させるための研究開発を進めていきます。USMの海洋科学に関する豊かな専門知識とイノカの技術を融合させることで、より効果的な保全活動が期待されます。さらに、学生や職員の相互交換、共同研究開発プログラムの促進、雑誌への寄稿など、多面的な協力が行われる予定です。
期待される未来
イノカは、イノカアジアを通じて現地研究機関との連携を強化し、持続可能な技術開発を推し進めていきます。また、共同研究や教育プログラムを通じて、次世代の海洋研究者を育成し、海洋資源の保全をより広範囲に展開していく計画です。
イノカの理念「人類の選択肢を増やし、人も自然も栄える世界をつくる」を実現するために、新たなチャレンジが始まります。未来の海洋環境の保全に向けて、このプロジェクトが重要な一歩となることを期待しています。
USMの紹介
マレーシアサインズ大学(USM)は、1969年に設立されたマレーシアで2番目に古い国立大学で、特に海洋科学の研究において高い評価を得ています。
会社概要
イノカは2019年に創業し、環境移送技術を駆使したサンゴ飼育を行うベンチャー企業として成長しています。自然を愛し、新たな技術を活用して持続可能な海洋生態系の実現に挑戦しています。