ティファニー銀座に新たな金箔の技術が採用される
2025年7月11日に開業した「ティファニー 銀座」では、石川県金沢市に本社を構える箔座株式会社が手掛けた金箔施工が特徴です。今回はその詳細と背景について掘り下げてみましょう。
箔座株式会社と独自技術の誇り
箔座は、伝統の金箔製造を基盤に、独自に開発した『純金プラチナ箔(久遠色)』を使用しました。この箔は金とプラチナを融合させた世界初の合金製箔であり、その特徴はシャンパンゴールドに似た上品な輝きです。また、職人が1枚1枚丁寧に仕上げた約2,500枚の箔が、2階の天井を彩り、訪れる人々に圧倒的な美しさを提供します。箔座の職人たちは、この新しい技法に挑戦し、光の反射が有機的で繊細な空間表現を生み出しました。
プロジェクトの意義
このプロジェクトは、ティファニーが掲げる"日本文化への敬意"というデザインコンセプトに基づいています。また、ティファニーとワールド・モニュメント財団(WMF)が共同で「金沢縁付金箔製造職人育成プログラム」を立ち上げており、これは金沢市や文化庁と連携し、ユネスコ無形文化遺産にも登録された「縁付金箔」の次世代の継承を目指すものです。今回の施工は、その成果が具現化されたプロジェクトと言えます。
ユネスコ無形文化遺産の重要性
「縁付金箔」という技術は、400年以上の歴史を誇り、手漉きの和紙を使って金箔を打ち延ばす伝統的な製法です。この職人技は文化庁によって選定保存技術に認定され、ユネスコ無形文化遺産にも登載されています。箔座は、この価値ある技術を守り続けることで、未来の世代へとつなぎ合わせる使命を持っています。
表現の価値
金箔の持つ独特な表情は、その薄さゆえに対象となる素材の質感を包み込み、微かな光をも捉えます。箔座は、この技術を駆使し、国宝や重要文化財の保存に貢献し、箔の価値を広げていく取り組みを行っています。
箔座の未来
箔座株式会社は2026年に創業50周年を迎えます。このティファニー銀座プロジェクトへの参画は、金箔の新しい可能性を開く意味でも大きな意義があります。このようなプロジェクトを通じて、未来へとつながる伝統と革新の融合に寄与していく覚悟です。
最後に、箔座のテクニックがどのようにティファニーのブランドに新たな価値を加えるのか、今後も注目していきたいですね。美と伝統が交差するファサード、新しい体験を提供するティファニー銀座への訪問をお勧めします。