デモ嫌いと親中ナラティブ
2025-03-27 10:03:14

デモ嫌いが日本人の親中ナラティブ受容を促す理由とは

デモ嫌いが日本人の親中ナラティブ受容を促す理由



最近の研究によると、日本人に見られる特有の「デモ嫌い」が、権威主義の考え方を受け入れる要因になっていることが分かりました。この研究は特に、2019年の香港デモに関連する親中ナラティブ(中国政府に好意的なストーリー)が、日本でどのように拡散されるかを探るものです。

研究の背景



この研究は、早稲田大学、小林哲郎教授をはじめ、東京大学と筑波大学の研究者たちによるもので、ツイッター(現X)のデータを用いて分析されました。これまで、権威主義国は民主主義国の世論を分断させるために「認知戦」や「影響工作」を行っていると考えられていましたが、最新の調査によって日本においてはその影響が異なることが明らかになってきました。

デモへの忌避感



研究によれば、日本では右派、左派を問わず、親中ナラティブを受け入れる傾向があることが確認されています。特に、右派の人々は、リベラルな社会運動に対する嫌悪を表明し、香港デモを国内の左派運動と結びつけて理解することで、親中ナラティブを容易に受容していることが分かりました。これは「デモ嫌い」が、海外の民主化運動に対する理解を歪める結果をもたらしています。

デモ嫌いの影響



オンライン実験による調査では、デモに対する嫌悪感が強い人々が、香港デモを「CIAに扇動されている暴動」と解釈する傾向が高いことが示されました。このことは、権威主義国が発信するナラティブの受容を容易にし、さらにその再生産を助長する可能性を示しています。 また、デモ嫌いな人々は、自由と民主主義のために戦う香港市民の精神を理解しない傾向にあるのです。

権威主義国の洗練された影響工作



これまで、日本は権威主義国の洗練された影響工作の最前線ではないと考えられていました。しかし、最近の研究によると、日本国内では一般ユーザーを装ったアカウントが親中・親露的ナラティブを拡散していることが増えています。このようなプロパガンダは、一般の人々に影響を与える大きな力を持っています。

これからの課題



権威主義国のナラティブは、必ずしも民主主義国の世論を分断させるものではないことが示されています。むしろ、日本の特異な「デモ嫌い」が、権威主義の立場を容認する土壌になっていることは、今後重要な課題となります。デモや社会運動の本来の意義を再評価し、民主的価値を積極的に広めることが急務です。

研究の意義



この研究は、権威主義国によるナラティブの浸透を理解する上での重要な知見となります。また、日本社会におけるデモへの嫌悪感が、権威主義的考え方を受け入れやすい環境を作り出していることの理解を深めるために貴重です。今後もこのテーマに関する研究が進むことが期待されます。


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