次世代型太陽電池の実証開始式が相模原市で開催される
2025年10月25日、神奈川県相模原市において、次世代型太陽電池として注目を集めるカルコパイライト太陽電池の実証開始式が行われました。このイベントは、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)、株式会社PXP、日揮株式会社の三者が主導し、相模原市との共同プロジェクトとして進行されました。
このプロジェクトが実施される場所は、相模原市リニア駅周辺に位置する「FUN+TECH LABO」です。この施設は、イノベーションの創出を目的とした拠点として設計されています。カルコパイライト太陽電池は、これまでの太陽電池とは異なり、薄くて軽量、そして割れにくいという特徴を持っています。この特性により、従来は施工が難しかった壁面や窓への設置が可能になりました。
実証実験の目的
新しい太陽電池を使用したこの実証実験では、いくつかの重要なテーマが設定されています。具体的には、設置が困難だった壁面への施工メカニズムの確認や、暴風などの厳しい自然条件に耐える安全性のテスト、さらには太陽光の照射方向や角度に応じた発電量の差異を検証することです。
発電された電力は、室内の電化製品や屋外の防犯カメラ、イルミネーションの点灯など、多岐にわたり利用されます。さらには、今回の実証実験は「FUN+TECH LABO」において初めて行われるケースであり、注目を集めています。
参加企業と団体の役割
この取り組みには、各参加企業および団体がそれぞれの役割を果たしています。PXPは太陽電池の設計や製造、データ解析および点検を担当し、日揮は革新的な「シート工法」による安全性と施工性、さらに軽量性を両立するモジュールの設置を行います。JR東海は、実証地点の提供と普及に向けた啓発活動を実施し、相模原市も同様に普及啓発を行います。
補助金と公的サポート
この取り組みは、神奈川県が推進する「神奈川県次世代型太陽電池普及促進事業費補助金」の対象となっている重要な事業の一つです。このサポートを受けることで、技術の実用化と普及が一層加速することが期待されています。
開幕式の模様
実証開始式には、黒岩祐治神奈川県知事やPXPの栗谷川悟代表取締役社長、日揮の山口康春社長、JR東海の丹羽俊介代表取締役社長、相模原市の本村賢太郎市長が出席しました。式典では、軽量で簡単に窓に取り付けられるシースルー型カルコパイライト太陽電池の披露が行われ、さらにイルミネーション点灯式も執り行われました。
今後の展望
JR東海、PXP、日揮、相模原市は、この次世代型太陽電池の早期社会実装に向けて、今後も引き続き積極的な取り組みを進めていく所存です。この革新的な技術が日本のエネルギー事情に新たな風を吹き込むことを期待しています。