「アイマービー®」の発売について
2025年11月12日、全身型重症筋無力症治療薬「アイマービー®」の発売が発表されました。この薬は、成人および12歳以上の小児に向けて設計された初のFcRn阻害剤であり、長期にわたる症状のコントロールを目指します。特に、全身型重症筋無力症(gMG)の原因となる免疫グロブリンG(IgG)抗体濃度を素早く持続的に下げることが期待されています。
アイマービーの効果とは
「アイマービー®」は、成人及び小児を対象とした2つの主要な試験で、症状の持続的なコントロールと改善を示しました。Vivacity-MG3試験や第II/III相Vibrance-MG試験では、患者のIgG抗体濃度が最大75%低下することが確認され、日常生活における機能の向上も評価されています。この試験に参加した患者は、基本的な動作の改善を実感し、より良い生活の質を享受しています。
特に、日常生活動作(MG-ADLスコア)の評価において、アイマービー®と標準治療の併用が、プラセボと標準治療の組み合わせよりも顕著な改善を示しました。これは、咀嚼や嚥下、呼吸に関する基本的な機能の向上を意味しています。
発売の背景と期待される影響
全身型重症筋無力症は、慢性的な自己抗体疾患で、現在は十分な治療法が求められている状態です。患者の約95%がIgG抗体陽性とされ、持続的な症状管理が求められています。この背景を受けて、アイマービーは新たな治療の選択肢として期待されています。
国際医療福祉大学の村井弘之教授は「アイマービーの登場は、全身型重症筋無力症の治療において大きな前進であり、より多くの患者の日常が改善されることを期待しています」と述べています。
さらなる研究開発への期待
この薬の開発に関与したヤンセンファーマ株式会社のクリス・リーガー社長は、「全身型重症筋無力症の治療に変革をもたらし、患者さんの生活の質の向上に貢献したい」とコメントしています。さらなる研究開発が進む中、全身型重症筋無力症に対する新たなソリューションが期待されます。
アイマービーは、関連する免疫系への影響を最小限に抑え、IgG抗体の低下に焦点を当てた治療薬として、今後の治療に重要な役割を果たすでしょう。
製品情報
- - 製品名: アイマービー®点滴静注1200mg・300mg
- - 一般名: ニポカリマブ(遺伝子組換え)
- - 効能: 全身型重症筋無力症
- - 用法・用量: 初回投与後は定期的な点滴を行うことが推奨されます。
- - 薬価: 点滴静注1200mgが約196万円、同300mgが約49万円。
発売日に関する具体的な情報や価格については、今後の案内をお待ちください。アイマービー®が、多くの患者の生活改善に寄与することを期待し、その普及に向けた動きが進むことでしょう。