ispace EUROPEとマグナ・ペトラが新たな月面探査契約を締結

ispace EUROPEとマグナ・ペトラの月面探査契約



株式会社ispaceの欧州法人であるispace EUROPEが、米国の月面資源開発企業であるマグナ・ペトラ社と重要な契約を締結しました。この契約は、アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発した月面質量分析計「MSOLO」を、月面探査ミッションの一環として月へ輸送するためのペイロードサービス契約です。契約金額は約22百万米ドル(約32億円相当)で、今後の月面探査の可能性を広げる内容となっています。

この契約に基づき、マグナ・ペトラ社が実施する月面資源探査ミッション「HALO(Helium Availability of Lunar Origin)」の中で、MSOLOがispace EUROPEが開発中の小型月面探査車に搭載されることになります。このプロジェクトは、国際的な月面科学および商業パートナーシップとして、各企業の技術とビジョンを融合させた重要な進展を象徴しています。

MSOLOとその役割



MSOLOは、NASAケネディ宇宙センターで開発された小型質量分析計で、月面のレゴリス中に存在するヘリウム3を含む揮発性物質の測定を目的としています。ヘリウム3は、核融合エネルギーや量子コンピュータの冷却技術に期待されている希少な同位体です。マグナ・ペトラ社は、NASAとの共同研究開発契約に基づき、AI技術を用いて月面同位体の分布をデジタルツインとしてモデリングし、その探査活動を進めています。

ispace EUROPEは、ローバーの設計や月面での運用管理を担当し、MSOLOを搭載するための最適化を行います。また、このローバーは、ispaceの米国法人であるispace-U.S.のAPEX 1.0ランダーに搭載され、両社の技術的専門性を結集したプロジェクトとして実現します。

コメントと展望



ispace-U.S.のCEOであるElizabeth Kryst氏は、「今回の契約は、民間企業が政府機関やグローバルパートナーと連携し、探査の限界を拡げる姿を示すものです」と述べ、探査を通じて新たな発見と機会の創出を期待しています。ispace EUROPEのCEO、Julien-Alexandre Lamamy氏も、「このミッションは、欧州が月面探査において重要な役割を果たすことを示すものであり、持続可能な月面経済の基盤を構築するために真の国際協力を目指します」とコメントしました。

さらに、マグナ・ペトラのCEO、Jeffrey Max氏は、この契約がいかにして月資源の信頼性あるサプライチェーンの確立に向けた重要な第一歩であるかを強調しました。ヘリウム3は将来的に、持続可能なエネルギー革命を支えるための鍵となる資源として位置づけられています。

まとめ



月面探査欲はかつてない盛り上がりを見せており、ispaceはその先駆者として、月面資源開発の未来を切り開いています。国際的な技術の連携により、持続可能な月面経済の実現に向けた道筋が着実に形作られていくことでしょう。この契約により、月面探査の新たな時代が幕を開け、私たちの宇宙に対する理解が深まることを期待しています。

会社情報

会社名
株式会社ispace
住所
東京都中央区日本橋浜町3-42-3住友不動産浜町ビル3F
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。